「みんなのメリットを考えているのに」内閣不信任案をめぐって聞こえる立憲・野田代表のボヤキ

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解散されて困るのは

「野田氏はこういった発言に強い不快感を示していました。前原、玉木の両氏はそういう風に表向き言うけれど、じゃあ不信任案を出したら協力するのか?というわけです。維新は何よりも大事な万博がおひざ元の大阪で開催中。前原氏自身も本音では“解散されたらイヤだ”と思っているようです。国民民主は衆院の候補者選定にまで手が回らず。程度の差こそあれそれは立憲も同じ状況で、衆院で議席数を上乗せできる可能性はそう高くない。長年の懸案である野党間の候補者調整もうまく進んでいない。問題は山積しており、“解散されて困るのはみなさんの方じゃないですか、メリットを考えて動いているのに”などとボヤいていたと聞いています」(同)

 要は維新も国民民主も、野田民主をたきつけてはいるものの、目的は不信任案を可決することではなく、戦っている姿勢をPRすることにあり、野田氏はそのために利用されているだけ、ということになる。それを野田氏も重々承知しているから、ボヤきたくもなるわけだ。

“不信任案を不提出”の大義

「去年の10月に解散総選挙をやったばかりで、1年も経たないうちに再びというのは国民の理解をはるかに超えているといった指摘は永田町からしばしば聞こえてきていました。裏金問題に関係して自民党から公認を得られず落選した前議員らは今すぐにでも選挙をしてほしいと考えているでしょうが、彼ら以外は与野党問わず、誰も選挙などやりたくないのでは」(同)

 そもそも仮に選挙となれば、多額の税金が使われることになる。自公政権が倒れたあとのヴィジョンもないのにダブル選となれば、現在以上の不安定な政治状況になる可能性は高い。

「野田氏は6月上旬の会見で、“次期衆院選で政権交代できなければ代表を辞任する”と述べました。仮に7月下旬に衆参ダブル選となった場合、政権交代の可能性はそう高くないと見られ、その他の発言も踏まえると不信任案の提出はないと見るのが自然です。が、会期末までまだ時間はありますし、立憲内にも急進的な勢力が存在するので、何が起こるかわからないという意味で、関係者は引き続き警戒をしています。“不信任案を不提出”の場合でも野田氏としては大義が必要。そのあたりについては“トランプ関税をめぐる国難”を石破首相が演出し、野田氏もそれを受けて矛を収めるという流れになって行くのかもしれません」(同)

デイリー新潮編集部

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