「兄貴、そんな飲み方は絶対ダメだ」「バカ野郎」 ともにがんを経験した鳥羽一郎と山川豊の「兄弟船」を地で行く叫び

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ともにがんと闘う兄弟

 その山川が肺がんを公表して、一時休業したのは24年1月のこと。ただし、この時点ではガンの重度については公表していなかった。それを明かしてくれたのは抗がん剤治療が効いて復帰してからややあって。肺がんのステージ4。

 兄にはがんとわかった時に真っ先に報告した。「もうダメかもしれない」と覚悟し、すべてを鳥羽が仕切ってくれるようにお願いした。そんな弱気になっている弟を、今度は兄が叱った。

「バカ野郎、そんなことは考えなくていいんだ。お前はとにかく何があっても病気を治せ。俺も応援するから」

「絶対ダメ」「バカ野郎」と、まるで喧嘩しているみたいな会話。揃って紅白9回同時出場の記録を持つ兄と弟の「兄弟船」を地で行く叫びのようだ。

 鳥羽の大ヒット曲「兄弟船」の一節、「熱いこの血はヨ おやじゆずりだぜ」という、がなりが聴こえてきそうだ。

峯田淳/コラムニスト

デイリー新潮編集部

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