メディアにも登場 “入管批判”の「クルド人男性」が覚せい剤所持で逮捕されていた これで逮捕は4度目、それでも難民申請を繰り返して国内に残留
鉄棒を振り上げ
彼の素行には問題があったようだ。さる法務省関係者によれば、
「仮放免中に2回逮捕されています。一度は都内のトルコ料理店で知人と喧嘩し、持っていた長さ約70センチの鉄棒を振り上げて“殺してやる”と脅迫したというもの。この容疑で懲役10カ月、執行猶予4年の有罪判決を受けています。また、その6年後には、やはり都内で酒に酔い、クラブへの入店を拒否されたことに腹を立て、店員の足を蹴り、顔面を殴った。さらには、警察署で取り調べを受けた際にも取調官に掴みかかろうとし、それを止めようとした署員の腹を蹴り、腹に頭突きを食らわせてやはり暴行や公務執行妨害容疑で逮捕されているのです」
この際は、懲役1年の実刑判決を受けている。
ハンガーストライキ
入管施設に収容されている間も、職員との間で度々トラブルが起きた。
「ハンガーストライキを行ったり、自殺未遂をしたり。そうして仮放免処分となってはまた収容されることが続きました」
2019年には、夜中に鎮静剤の服用を申し出たものの、これが認められなかったことに腹を立て、大声を上げ、扉を蹴るなどした。こうした行為が収まらないため、警備員は部屋の移動を指示。が、彼がそれに従わなかったので、両腕と両足を持って処遇室に連行し、手錠をかけた。後にデニズ容疑者はこれらの処置を巡り、国に損害賠償を求めて提訴している。
この訴訟では、連行の過程で、職員が顎の下の「痛点」を強く押したり、手錠をかけられた腕を持ち上げたりしたことなどにつき、裁判所が「合理性を欠く措置」と判断し、国の違法行為が認定。22万円の賠償命令が確定し、メディアに大きく取り上げられた。また、「クルド難民デニスさんと歩む会」が設立され、カンパも集まった。一方で、
「連行や手錠をかけたこと、隔離処分にしたことなど、施設が取った多くの行為は、デニズの当日の抵抗状況から見て、違法性はなかったと認定されています」
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