地方に住む女性が“離婚しても楽しそう”に見える納得の理由 東京よりも格段に離婚率が高くても“幸せ”なのはなぜか
別れる理由
2024年の出生数は68万人に激減し、2023年の婚姻数が47万4741組だったという厚労省の発表には激震が走った。さらに離婚も多い。よく「3組に1組が離婚する」などと言われるが、政府統計e-Statが公表している「人口動態調査 人口動態統計 確定数 離婚」によると、2022年の都道府県別離婚率の1位は高知県の48.65%。最も低いのは東京都の25.61%だ。私が住む佐賀県は35.28%で、確かに東京にいた時よりも周囲に離婚経験者が多いように思える。
【写真】ビートたけし、小室哲哉、市村正親、石橋貴明…「熟年離婚」した芸能人たち
何かとネガティブな文脈で語られる離婚だが、離婚率の高さについては、どうも「周囲で離婚して幸せになっている人を見るかどうか」という要素も影響しているのではないか。離婚した知人が楽しそうにしていると、「私も離婚するか」という気持ちになる、という仮説である。実際、そのような体験も離婚経験者からは聞いた。
これまで聞いた離婚の理由では、女性が夫のモラハラ体質や夫の実家との関係性が悪いことに不満を抱き離婚を持ちかけた、というものが目立つ。あとは一緒に行くはずだった海外旅行の日程に競合プレゼンテーションを入れてしまい、妻は「もう半年前から有給休暇を取っていたわけで、その時になぜプレゼンを入れる? そんな根回しすらできない無能には呆れた。いや、私との旅行よりも、そのプレゼンの方が大事なんでしょ? 私は所詮その程度なのね」と感じて離婚を決意した、というものもあった。
アラフォーで自由気ままな人生
他のケースでは、息子が大学を卒業したから、というのもあったが、この件では妻の年齢に驚いた。息子の大学卒業時、妻はまだ46歳なのだ。2023年、日本の初婚年齢は、夫が31.1歳で妻が29.7歳。一方、この女性の場合、結婚は22歳だったとのこと。
地方の方が離婚率が高い傾向にある理由の一つに、早婚の人が多いことがあるのではなかろうか。離婚の理由としてよく言われるのが「互いに未熟だから相手を見極められず、勢いで結婚してしまったため判断を誤った」というものだ。
そうした面は確かにあるだろうが、もう一つ重要だと思われるのが、「子供を育て上げたうえで離婚してもまだ40代」ということ。21歳で子供を産み、その子が高校を卒業する18歳段階で39歳。大学を区切りとしても43歳。となれば、再婚も可能だし、次の相手との間にも子供が生まれる可能性はある。仕事をしていても、それなりの中堅どころになっていて給料は上がってきており、独立した子供にかける費用もなくなる。となると、アラフォーにして、自由気ままな人生を手に入れることができるのだ。
[1/2ページ]