石破首相の“ギリシャ発言”の裏に政界工作あり 財務省と蜜月の政治家を見抜く「二つのキーワード」
消費減税を阻む“悪代官”だと世間から目の敵にされている財務省。その背景には、歴代政権を担ってきた政治家との蜜月ぶりがあるという。「日本の財政状況はギリシャより悪い」とした石破茂首相の発言も含め、財務省と蜜月の政治家を見抜くキーワードとは――。
※本稿は「週刊新潮」2025年6月12日号掲載「国会議員はイチコロ 消費減税を阻む『財務省』の知られざる政界工作」の記事を再編集したものです。
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先月19日、参院予算委員会で減税を実行しない理由を問われた石破首相は、
「わが国の財政状況は、間違いなく、極めてよろしくない。ギリシャよりもよろしくないという状況だ」
と口にした上で、こう述べている。
「税収は増えているが、社会保障費も増えている。減税して財源は国債で賄うとの考えには賛同できない」
財政規律を尊ぶ財務省の理屈を代弁した「石破発言」は、ギリシャを引き合いに出したことで物議を醸す事態に発展してしまった。
根本的な違い
永田町では、財務省と蜜月の政治家を見抜くキーワードがあるという。
「ギリシャとトラス・ショックの例え話を口にする政治家がいたら、財務省の洗脳があったのではないかと考えてよいと思います」
とは、自らも5月30日の衆院財務金融委員会で「石破発言」に疑問を呈した立憲民主党の江田憲司衆院議員だ。
「この二つは、財務省の官僚が議員たちに消費減税反対を説得する際の常套句のようなものです。石破首相の例え話が間違っているのは、ギリシャの国債は自国通貨ではないユーロ建てですが日本は自国通貨建て。根本的に違います。しかも、ギリシャは対外純負債国で恒常的な経常赤字国。破綻時は国債の7割が海外保有で投げ売りされた。一方、日本は昨年度30兆円の経常黒字を出し、海外資産を533兆円も持つ資産大国。国債の海外保有率もたった6.4%です」
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