備蓄米の放出で倉庫業者が“廃業危機”報道も…「大量に保管していたのはJA」との指摘 “江藤米”の流通が遅れた真の理由とは

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回転備蓄と棚上備蓄

 多くの消費者は「国の倉庫に保管されている備蓄米をJAが落札。JAが国の倉庫から備蓄米を受け取って精米や発送を行っている」と思っていたのではないだろうか。

 しかしJAが備蓄米の相当量を保管しているのだから、中には「JAが倉庫に保管していた備蓄米をJAが落札した」というケースもあったかもしれない。その時にJAが急いで手元の備蓄米を卸に流してしまうと、倉庫の保管料は減少してしまう──。

「JAが備蓄米制度に強い影響力を行使した問題は他にもあります。例えば備蓄米の保管方法は2011年に『回転備蓄』から『棚上備蓄』に変更されました。前者は備蓄米を数年保管した後、主食用の古米として市場に売却します。後者は数年保管した後、飼料用など非主食用として売却します」(同・記者)

 棚上備蓄に切り替わったからこそ、国民民主党の玉木雄一郎代表は5年を過ぎた備蓄米を「エサ米」と呼んで炎上したわけだ。

 実は農水省の試算によると、今の棚上備蓄より昔の回転備蓄のほうが国民の負担は少ないのだという。なぜ国は棚上備蓄に変更したのか、そこにJAの圧力があったのか、第3回【東日本大震災での放出は「4万トン」…備蓄米は本当に「100万トン」も必要なのか JAの影が見え隠れする“備蓄米ビジネス”のカラクリ】では詳細に報じている──。

註:丸山淳一・読売新聞編集委員のXより

デイリー新潮編集部

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