朝の1強「羽鳥慎一モーニングショー」の視聴率に気になる“変化” 時には「あさイチ」を下回る日も
朝ドラの変化
ここ数回の変化ではあるが、圧倒的な1強だっただけに気になる現象ではある。
「ひとつ思い当たるとしたら、8時にスタートするNHKの朝ドラの影響です。3月までは橋本環奈が主演の『おむすび』でしたが、4月からは今田美桜が主演の『あんぱん』に変わりました」
平均世帯視聴率13・1%と朝ドラ史上最低を記録した「おむすび」と、現在15~16%の数字を維持し続けている「あんぱん」との差は大きい。
「朝ドラの視聴率が上がると、朝ドラ受けの『あさイチ』の視聴率も上がりますからね。『あんぱん』の視聴率が『おむすび』より3ポイント程度上がったことで、『あさイチ』の視聴率も1ポイント程度上がっています」
ちなみに「モーニングショー」が民放1位になったのは2017年以降で、NHKを抜いて全局1位になったのは20年以降だ。「モーニングショー」と朝ドラの視聴率を対比すると以下のようになる。
「『モーニングショー』が『あさイチ』を抜くようになったのは20年中期以降です。朝ドラ『エール』はコロナ禍で撮影が間に合わず、6月末から9月上旬にかけて中断、11月末までの放送となり、『あさイチ』の視聴率も落ちました。続く『おちょやん』は12月から5月までの放送となるなど、変則的な放送期間になったため視聴率を落としました。その頃、『モーニングショー』は“コロナの女王”と呼ばれた白鷗大学の岡田晴恵教授を解説に起用して数字を上げていきました」
確かにそうだ。コロナ禍に逆転のきっかけがあったわけだ。だが「おちょやん」以降の朝ドラを見ると、平均視聴率は15~16%が多い。現在の「あんぱん」と大差ないのだ。
「『おむすび』が終わって『あんぱん』がスタートしたことで、『モーニングショー』の視聴者が朝ドラに流れたことは考えられます。しかし、それ以前から同時間帯1位を続けてきた『モーニングショー』だけが今になって急に視聴率を下げた理由は説明がつきませんから、首をかしげる業界人も少なくありません。テレ朝の看板番組であり、朝の情報番組戦争の中心であるだけに、みなが今後の視聴率に注目しています」
2015年10月にスタートした「羽鳥慎一モーニングショー」は今年10月に丸10年を迎える。