朝の1強「羽鳥慎一モーニングショー」の視聴率に気になる“変化” 時には「あさイチ」を下回る日も
平日の朝8時台に鎬を削る情報ワイド番組の中で視聴率トップをひた走る「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日)。その数字に気になる変化が見て取れるという。
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【写真を見る】『モーニングショー』に“変化”をもたらした「超人気番組」とは?
民放では8年連続、NHKを含めても5年連続で、同時間帯の視聴率トップを独走するのが「モーニングショー」だ。昨年の年間平均視聴率は、世帯9・9%、個人5・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)。なぜそんなに強いのだろう。民放プロデューサーに聞いた。
「まず言えるのはMCの羽鳥慎一アナの人気です。オリコンの『好きな男性アナウンサーランキング』では何度も1位になるなど、女性視聴者からの好感度が番組の人気を支えています。さらに、政治、経済、事件、世相など重いネタから軽いネタまで取り上げる朝の情報番組で、時に硬派に、時に軽やかに伝える羽鳥アナのMC力も優れています」
石原良純や長嶋一茂など個性豊かなコメンテーター陣も強い。
「中でもレギュラーコメンテーターの玉川徹の物言いは、ストレートすぎて好き嫌いが分かれますが、良くも悪くもコメントに力があり、何を言うのか期待する視聴者も少なくありません。そうした“猛獣ども”を使いこなす羽鳥アナの力量あってのものでしょう。テレ朝は昨年の年間視聴率で開局以来初となる世帯・個人での三冠王を達成しました。その立役者と言われるのが『モーニングショー』です」
同時間帯の他局は、何か手を打っているのだろうか。
急激に落ちた視聴率
「最初に路線を変えたのがTBSでした。2021年3月、立川志らくが司会の情報番組『グッとラック!』を打ち切り、翌月にバラエティに特化した『ラヴィット!』がスタートしました。日本テレビは昨年4月、朝8時までの放送だった『ZIP!』を9時まで延長して番組を途切れないようにしました。そしてフジテレビは、この4月から武田鉄矢やカズレーザーをスペシャルキャスターに据えた新番組『サン!シャイン』でテレ朝の牙城を崩しにかかりました。しかし、まったく歯が立たず、民放では『モーニングショー』の一人勝ちが続いています」
「モーニングショー」に異変は見当たらないようだが……。
「今年3月までは世帯視聴率で10%超、つまり二桁を取る日も珍しくありませんでした。ところが4月以降、一桁台が目立つようになっています。そして5月28日には7・4%という今までにない低視聴率を記録したのです」
昨年の世帯平均が9・9%だから、二桁の視聴率の日が多いことは分かる。5月28日は裏番組でスポーツ中継があったわけでもないのに7%台とは意外だ。
「小泉進次郎農水相が“備蓄米5キロ2000円”を打ち出した頃ですから、むしろワイドショーにはもってこいのネタがありました。しかも、裏番組の視聴率には大きな変化はありませんでした。『モーニングショー』だけ急激に数字が下がったのです。だとしても民放1位ですから大したもの。この日はNHKの『あさイチ』が世帯8・5%でトップ、『モーニングショー』は全局1位を逃しています」
「あさイチ」もこの日、特に数字が良かったわけではないという。
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