他の風俗嬢が「NG」とする客がお得意様に 34歳・宗教2世「特にピロートークがすごく重要」

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寄り添って肯定する

 基本的な対応としては、とにかくその人に寄り添って、肯定することですね。「目の前のあなたしか今見てないから、ちゃんと自分のことを話して欲しい」と伝えます。

 最初から「私はあなたの味方ですよ」っていうのをきちんと示して、安心させて、その人の心の中に「入れてもらう」ことから始める。「中に入れてもらったら、今度は中から修理していく感じ」って言うと恐ろしいですけど(笑)。でも、そういうイメージなんです。

 一度、中に入れたら、今度は徐々に「これを言うと人が傷つくよ」とか、「これは多分あんまりやらない方が自分のためだよ」という話を、優しく、少しずつ伝えていきます。

 性格が悪い方もいますが、私は面白がって、「面白いね」って言いながら、普通に対応しています。あとは、その人が暴走しないように、私が「ハンドルを握っておく」ことが大事ですね。ストーカーみたいな行為も、きちんと「その行動はダメだよ」と理解させることで防げると思います。

 性的な接触って、心の防御の意識が一番、薄くなる。ハードルが一番下がる瞬間だから、入り込みやすいんです。特にピロートークがすごく重要で、相手の“鎧”が取れた瞬間に、幼少期の話とか、昔の話を深く掘り下げて聞くんです。

 こういうやり方は、心理学の手法だなと自分でもわかっています。「宗教っぽい」って周りから言われることもあります(笑)。宗教2世に生まれて、結局、宗教に戻ることになってしまいました。

 でも、私自身はお客さんに対して、「私がこうやって入り込むことによって、あなたは生きやすくなっていますよね」っていう気持ちです。自分でも怖いなって思いますが(笑)。

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 第5回【自分なしでは動かない「強烈な居場所」が欲しかった 「宗教2世」が風俗店の経営者になった理由】では、経営者をしていた頃の話や今後の活動について語っている。

まりてん
1990年、愛知県生まれ。宗教2世として育ち、2009年に美術大学へ進学し、在学中にデリヘル勤務を経験。13年から広告制作会社でWEBデザイナーとして働いた後、16年に池袋で風俗店を立ち上げる。その後、大手企業で転職するも、20年に風俗嬢に復帰。YouTube「ホンクレch」を運営している。近著に『聖と性 私のほんとうの話』(講談社)。

デイリー新潮編集部

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