八神純子のヒット作「みずいろの雨」は「岩崎宏美さんの歌声を想像して作った」、中島みゆきを“ライバル視”していた過去も明かす
中島みゆき『時代』のカバーは東日本大震災の被災者のリクエストから生まれた
Spotify第6位、第12位には、’12年リリースのカバーアルバム『VREATH ~My Favorite Cocky Pop~』から「時代」と「白いページの中に」がランクイン。
特に、「白いページの中に」はオリジナル(柴田まゆみ)音源が未配信ということもあり、数あるカバーの中でも八神版に人気が集中している。
「えぇー!? あんな名曲が未配信だなんてもったいない! このアルバムは『ポプコン(ポピュラー・ミュージック・コンテスト)』で歌われた楽曲から選んだのですが、私も大好きで、周りのディレクター達にも評判がよかったですね。なにより、柴田さんの歌唱が素晴らしいんですよ」
そして、同アルバム最上位は、中島みゆきのカバー曲「時代」。同じヤマハ出身ながら、中島みゆきの楽曲をカバーすることに驚いた人も多いかもしれない。
「これには、ちょっときっかけがあって。2010年代に入り、第2の音楽人生を再開しようと思った矢先、東日本大震災があったので、東北に歌を届けに行っていたんです。とある避難所を訪問して“何の歌を聞きたいですか”とおじいちゃんに尋ねたら、“中島みゆきの『時代』がいいな”とおっしゃったんです。それで、“みゆきさんの代わりに、私が歌ってあげるね”と歌ってみたら、意外と私の声にも合ったんです。
みゆきさんとは、ポプコンの同じ回に出ていて、私が入賞した時のグランプリが彼女の『時代』でした。その前に、彼女が「傷ついた翼」で入賞した時も一緒に出ているので、めちゃくちゃライバル視していました。若気の至りで、“私のほうがいい曲なのにどうして……”とか思った時もありました(笑)。
でも、コンサートや被災地でずっと歌っていくなかで、『時代』という曲が人々の心に刺さっていくのを感じて、改めてみゆきさんのすごさがわかり、こうして音源に残せてよかったです。同じアルバムに『傷ついた翼』も収録していますが、ライバル視していたと言いつつ、この作品のことが大好きだったので選びました。みゆきさんは、実際にお会いすると、とってもミステリアスなんですよ」
さまざまな経緯で作られた楽曲が、いずれも“八神純子カラー”に染まっていることは実に見事だし、それらが40年の時を経て多く聴かれるようになったことも感慨深い。そこには、八神の揺るぎない信念が貫かれているように感じられた。最終回となる次回は、近年リリースされたCDやライブ活動について語ってもらおう。
【INFORMATION】
2025年6月より『 Zepp Round 4 〜with Learn To Fly〜 八神純子 LIVE』開催!
《Learn To Fly》
Gtr 是永巧一 Dr 佐藤強一 Ba 立川智也 Key & Cho 真藤敬利 土屋佳代
《スケジュール》
*2025.6.15@Zepp Sapporo
*2025.6.21@Zepp Namba(OSAKA)
*2025.6.22@Zepp Nagoya
*2025.6.29@Zepp DiverCity(TOKYO)
《チケット》
*全席指定席:8,800円 (税込)
各プレイガイドにて発売中
詳細は公式HPにて
[3/3ページ]