プロ野球でまたもや“誤審騒動” MLB並みの判定ができない理由は「やる気がないだけ」
MLBとは大違い
5月27日に神宮球場で行われたヤクルト対中日戦。1点を追う中日は、走者1人を置いて川越誠司が右翼ポール際に大飛球を放った。逆転弾だ!と思ったら、判定はファウル。すかさず井上監督がリクエストし、リプレー検証となった。
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大型ビジョンが再生動画を流す。球はポールの内側を通っている! 中日ファンは歓喜し、ヤクルトファンからはため息が漏れた。
ところが、控え室から出てきた審判団は判定を覆さず。燕党ですら本塁打と認めていたのに……。
スポーツ紙デスクが語る。
「検証は、審判が控え室に戻り、卓上モニターで主にテレビ中継をスロー再生して決めます。MLBは、ニューヨークにいるデータ分析員が多数の専用カメラと弾道解析装置を駆使して判断しているのですが……」
なぜNPBはMLBのようにできないのか。
「財力の差、という逃げ口上をよく聞きますが、やる気がないだけですよ。弾道解析装置は既に各球場に設置されているし、バックネットの上にカメラを1台設置するだけでもだいぶ違うんですけどね」
事実上誤審を認める説明
いや、今回は現行の大型ビジョン動画でも両軍ともに納得できる裁定を下せたはずである。現に、
「中日球団いわく、NPBに抗議文を突き返された際、“本塁打たる映像を確認した”と、事実上誤審を認める説明があったそうです」
SNSでは、球がポール内側を通る瞬間を捉えた動画が流布し、審判らへの批判の声が溢れている。
結局、何が悪いのか。
「審判自ら検証しているからですよ。判定を下した当人は話し合いから外れるとはいえ、仲間や先輩の行為は否定しづらいもの。そもそも判定をリセットすることなく、“覆すに足る証拠”を探すのだから、バイアスがかかるのは当たり前です」
逆に、MLBでは白紙状態で“第四者”の分析員が判断する。これなら客観性が保たれ、怒りの矛先が審判に向かうこともない。
そういえば、大相撲でも、行司に最終決定権はない。微妙な勝負には審判部の親方衆らが物言いをつけ、実質的にはビデオ室が裁定を下す。信頼は損なわれず、MLBは審判の、大相撲は行司の威厳を守っている。
「MLBではストライク・ボールを機械が判定する試みも始まりました」
どうする? NPB。


