大胆スリットから生足が… 菊田一夫演劇賞授賞式で「長澤まさみ」が見せた美脚と演劇への思い 「とても遠い世界と感じていた」

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一人二役を熱演

 戦前から戦後にかけて、劇作家や作詞家として活躍した菊田一夫。その名を冠して昭和50年に東宝が創設した「菊田一夫演劇賞」を、女優の長澤まさみ(38)が初めて手にした。

 演劇関係者が振り返る。

「授賞式は5月21日、東京・丸の内の東京會舘で行われました。長澤は肩や二の腕を露出させた淡いグレー系のロングドレス姿で、時に美脚をのぞかせる深めのスリット入り。ボディーラインを際立たせるタイトなデザインのせいか、会場では多くの出席者の中でひときわ目立っていました」

 東宝演劇部に所属した菊田は、脚本や演出を担当した舞台「放浪記」や「がめつい奴」で人気を博した。昭和38年に日本初のブロードウェイミュージカル「マイ・フェア・レディ」を江利チエミと高島忠夫のコンビで上演。昭和41年には帝国劇場で、世界で初めて「風と共に去りぬ」の舞台化を成功させている。

「それだけに、この賞は舞台で優れた業績を上げた人が対象です。俳優や作家、演出家をはじめ、美術、照明、音楽、振付などの担当者も含まれますね」

 長澤が評価されたのは、昨年上演された舞台「正三角関係」における一人二役の演技。野田秀樹による作と演出でアイドルグループ「嵐」の松本潤(41)、俳優の永山瑛太(42)とトリプル主演を務めた。

「長澤の役は、竹中直人(69)扮する花火師の父親と松本が演じる長男の二人から愛される妖艶な女性。そして3兄弟の三男でした。主催者は“性格が真反対の男女という二役を鮮やかに演じ、存在感があった”と評していましたよ」

「演劇学校に通っているんじゃないか、と」

「正三角関係」は、ロシアの文豪ドストエフスキーの名著『カラマーゾフの兄弟』に着想を得た作品とされる。昨年7月から東京で上演され、北九州と大阪を経て11月に英国ロンドンへ。現地では「Love in Action」の題名で、セリフはすべて日本語だった。

 演劇担当記者が言う。

「あいさつに立った長澤は“ほぼ半年、キャスト、スタッフと一つの作品を作る機会を頂きました。演劇学校に通っているんじゃないか、と思うような稽古の日々でした”と振り返りました」

 長澤は映画賞の常連で、平成16年に日本アカデミー賞新人俳優賞、ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を手にして以来、多くの栄誉に浴してきた。テレビ業界からも、ザ・テレビジョンドラマアカデミー賞主演女優賞や橋田賞など、たくさんの賞が贈られている。

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