日本ハム・新庄監督だけではないプロ野球“宇宙人伝説” 元阪神のエースは「1ヵ月390円」で生活…DeNA右腕は次戦の先発投手を漏らす“大失態”
印鑑と間違えてリップクリームを
日本ハム、オリックス、阪神でプレーした糸井嘉男も、“宇宙人伝説”には事欠かない。
投手時代にカーブを投げるはずが、ロージンバッグをいじっているうちに忘れてしまい、剛速球を投げたことから、「やってられるか!」と捕手を激怒させた。
打者転向後、「何も考えずに振れ」とコーチに指示されると、「どうやって何も考えないようにするかって、すごい頭の中で考えていたら、ドンドンドン(3球三振)って終わった」とアドバイスが裏目に出てしまう。
外野のレギュラー獲りに近づいた2008年オフの契約更改の際には、年俸930万円から1800万円に倍増したが、印鑑と間違えてリップクリームを取り出す失敗も演じている。
糸井が改めて宇宙人であることを周囲が実感させされる出来事が起きたのは、オリックス移籍1年目の2013年。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)から帰国した糸井は、3月下旬にチームに合流した際に「時差ぼけは大丈夫か?」と森脇浩司監督に聞かれると、こう答えた。
「そういうのは向こう(地球)が合わすことなので、あり得ないです」。その言葉どおり、フリー打撃で快音を響かせ、時差ぼけなど、どこ吹く風だった。
オリックス主将になった2015年にも、取材で「キャプテンマークの重みは?」と聞かれた糸井は、普通なら「先頭に立ってチームを引っ張ります」とコメントするところなのに、「えっ、軽いです」と答えたあと、左袖の「C」のキャプテンマークを引っ張りながら、「これ、結構軽い素材なんですわ」。記者たちが唖然としたのは言うまでもない。
うっかりCSの次戦先発を「ポロリ」の失態
DeNA時代の井納翔一も、「こちらが意図しているのと違う答えが返ってくる。会話が成り立たない」と中畑清監督が呆れた“超天然男”だった。
2013年3月19日のオープン戦、ソフトバンク戦に先発したドラフト3位ルーキーは試合前、「やばいです。今日は(朝の)4時起きです」と不安そうな面持ち。てっきり先発前夜の緊張によるものと思った報道陣だったが、真相は違っていた。
6回1失点の好投を見せた井納は試合後、4時起きの理由について「誰に聞いたんですか? 早いっすね、情報が」と自身が明かしたことなどすっかり忘れ、「お腹が空いて(4時に)目が覚めちゃったんです」と答えている。宇宙人は緊張とは無縁のようだ。
2016年のCSファイナルステージでは、広島に王手をかけられた第3戦で勝利投手になると、当時のCSは予告先発ではなかったのに、「(今永)昇太に絶対回すんだと約束して臨んだ」とうっかり次戦の先発を漏らしている。
2020年9月18日の巨人戦では、6回を2安打無失点に抑えた直後、右腕をしきりに気にする仕草を見せ、肘痛発症かと思われた。実は5回に着替えた際に強風で肘を冷やさないようにと、ホットクリームを塗り過ぎて「熱くなり過ぎて耐えられなかった」のが真相だった。これにはラミレス監督も「そういうことをするのが井納」と苦笑いだった。
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