中学生どころか小学生まで!? “金の卵”を巡るアマチュア野球の「スカウト合戦」過熱化で「保護者とトラブルになることも…」
保護者の「うちの子は特別だ」がトラブルの種に
スカウト合戦がどんどん低年齢化していることがよく分かる事例と言えそうだ。ただ、一方で、“弊害”も出ているという。前出の指導者は、こう続ける。
「あまり早くからそのように“特別待遇”を受けると、自分は『特別なんだ』という優越感を持ってしまい、それがマイナスに働くことがあります。小学生や中学生は成長が早いだけで、プレーが上手くできてしまう選手もいて、高校で思うように伸びないことがある。そうなった時に挫折に耐えられずにドロップアウトしてしまうケースも珍しくありません。あと本人以上に、厄介なのが保護者で、『うちの子は特別だ』との気持ちが強すぎて、上手くいかないことがあると指導者側に文句を言ってトラブルになることもありますね……。だから小学校、中学校時代に実績がある選手に対しては、注意が必要ですね。逆に中学時代は体が小さくて控えだったけど、高校で成長して伸びる選手もいますから、今だけではなく先を見ることも重要だと思いますね」
プロのスカウティングでも将来性を見るのが大事だとよく言われており、ジュニア世代になると、その要素はより大きくなることは間違いないだろう。スカウト合戦の過熱は致し方ないが、多くのチームが目先だけでなく選手の先々を考えて指導を行い、より多くの選手が才能を余すことなく開花させてくれるような野球界になっていくことを望みたい。
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