殺傷能力を持つ「猛犬放し飼い」で組長が逮捕 赤ちゃんを噛み殺した過去も

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耳を失った各務原の刑事事件

「もっとも、今回の件は必ずしもやり過ぎとは言えない面も。まだ被害が出ていないからよいものの、過去のピット・ブル絡みの事案を振り返ると深刻な事態を招いていた可能性もあるとの判断を当局はしたのかもしれません」(同)

 ピット・ブルは逃げ出して行方不明になればニュースとして取り上げられるほど危険な存在と見なされており、過去には小さな子供や赤ちゃんが襲われて亡くなったこともあった。「殺傷能力を持つ凶器と同じ」とされるゆえんである。

 2022年には岐阜・各務原で散歩中のピット・ブルが通行人2人を襲ってけがをさせ、被害者の1人は耳を失った。重過失傷害罪に問われたパート女性に岐阜地裁は2024年、禁錮6月、執行猶予4年の判決を言い渡した。パート女性は散歩の際にピット・ブルのリードを適切に操作せず、自転車に乗っていた女性の右腕や左耳にかみつかせ、同居する祖父に散歩に行かせ、同様に自転車の男性の膝をかませ、けがを負わせた。祖父に対して適切な散歩の仕方を教えていなかったことが指摘された。

中野太郎会長も

 近隣にとっては脅威となりうるピット・ブルだが、そこを魅力に感じる人も少なくない。かつて5代目山口組の若頭補佐を務めた中野会の中野太郎会長も飼っていたとされる。
「岡山にいる子分からプレゼントされたもので、中野会長は随分と可愛がっていました。私にも“世界一強い犬だ”と言っていたこともありました」

 と振り返るのは、中野会長の元側近で元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現在は、NPO法人「五仁會」を主宰)。

「強さ」に惹かれる面々が多い業界で人気が高い犬種ということか。しかしながら組長、組員と猛犬とが連れ立っている姿が近隣に脅威を与えていたであろうことは想像に難くないところ。むろん、犬自身に罪はないのだが――。

デイリー新潮編集部

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