韓国の政局が泥仕合になるワケ 国会議員の2割が法曹関係者 対話より批判・告発合戦が横行
6月3日に大統領選挙
韓国の大統領選挙が6月3日に迫ってきた。5月27日にテレビで全国中継された最後の候補者討論会には、革新系最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)前代表(61)、保守系与党「国民の力」の金文洙(キム・ムンス)前雇用労働相(73)、保守系野党「改革新党」の李俊錫(イ・ジュンソク)代表(40)、民主労働党の権英国(クォン・ヨングク)代表(61)が出席。政策論争そっちのけで互いに非難の応酬を繰り広げた。
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現地メディアの政治記者が振り返る。
「3回目の今回が最後となっただけに各候補ともライバルへの攻撃に力が入っていました。国民の力の金候補は、裁判の被告となっている李在明候補に『有罪判決が下されれば対外活動は難しい。大統領になることは正しいのか』と突きつけました。
前2回のテレビ討論では抑え気味だった李候補は『内乱罪で有罪を受ければ尹錫悦前大統領を赦免するつもりか』『金候補は内乱勢力それ自体か一員、少なくとも内乱保護勢力』『尹錫悦のアバター』と名指しで反撃。すると、金候補は再び『弾劾連発の民主党は李在明の怪物政治、怪物独裁の信号弾』と強く批判しました」
討論会では、世論調査による支持率1位の李在明候補と同2位の金候補が舌戦を繰り広げ、同3位の李俊錫候補と李在明候補が論戦で火花を散らした。政治記者がこう続ける。
「李俊錫候補が精神疾患に関する過去の発言を追及すると、李在明候補は『私の足りない部分なのでこれまで何度も謝罪した』と釈明。一方で、戒厳当日の李俊錫候補の行動について『化粧をしていない女性議員も戒厳解除表決のため国会の塀を乗り越えたが、李俊錫候補は(江南で)酒を飲み(自宅で)シャワーを浴びていたため、国会到着に時間がかかった』と皮肉たっぷり。
また、民主労働党の権候補への質問で、李俊錫候補は女性の身体の一部について卑猥なたとえを口走ったため討論会終了後、ライバル陣営と女性層から『女性嫌悪』として強い反発を受けました。米名門のハーバード大学出身とはとても思えない軽率な発言で、ネガティブキャンペーンのクライマックスを見せられたような気になりました」(前出の政治記者)
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