プロ意識の低さが露呈した「佐々木朗希」6年前にも同じ過ちを犯していた… 識者は「日本で大事に扱われ過ぎたことが原因」

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 開幕から2カ月足らずで「負傷者リスト」入りしたドジャースの佐々木朗希投手(23)。戦線離脱の前、右肩痛を隠したまま2登板していたことが批判を浴びている。高校時代にも同類の過ちを犯していたというが、なぜプロになってなお“しでかして”しまうのか。

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プロ意識の欠如

「ロウキには、率直に伝えることの大切さを学んでほしいと思う」

 ド軍のデイブ・ロバーツ監督は現地時間の今月16日、本拠地ロサンゼルスで報道陣にこう語った。さかのぼること2登板前、痛みが生じた際にすぐ報告しなかった佐々木に苦言を呈した格好だ。

「監督は普段であれば選手が犯したミスを庇い、ネガティブな発言を避けるものです。ただし、今回は単なるプレー上のミスではありません。佐々木にプロとしての意識が欠けていたという由々しき問題。痛みを抱えたピッチャーが投げ続けると故障を悪化させるだけでなく、チームが敗れるリスクまで高まる。監督が公の場でくぎを刺したのも致し方なかったのではないか」(スポーツ紙記者)

 現地時間の今月18日には、ド軍のアンドリュー・フリードマン編成本部長が会見で、佐々木の右肩が開幕当初からトラブルを抱えていた可能性が高いと明かした。

「メジャー初登板となった3月の開幕第2戦以降、160キロ超の速球が投げられなくなっていた。肩に違和感があったそうで、ならばどうしてもっと早く球団に相談しなかったのか。本人は頑張っていたつもりで、痛みが生じるまでは大丈夫だと思ったのかもしれません。ただ、ロッテに所属していた昨季も、今回と似た右上肢のコンディション不良で戦線を離脱した時期があったわけです。故障に人一倍気を使わなくてはいけなかったところ、意識の低さが垣間見えます」(同)

いまだに独り立ちできず

 佐々木は大船渡高校在籍時の2019年、18歳以下のW杯日本代表チームに選抜された。その時もケガを押して出場し、思わぬ結果を招いたことがある。 

 決勝進出のかかった韓国戦、事前に症状が出ていた右手中指の血豆が悪化し、1回を投げただけで降板。チームは試合運びのプランが狂い、延長10回でサヨナラ負けを喫した。

「今回、6年前と同じ過ちを繰り返しているように見えます」

 と言うのは、『投げない怪物 佐々木朗希と高校野球の新時代』の著者でノンフィクションライターの柳川悠二氏だ。

「原因は佐々木選手が日本にいた頃、箱の中の宝石のように大事に扱われ過ぎたことでしょう。ロッテは率先してコンディションを管理し、メディアへの取材対応も制限していた。結果、彼は自らのコンディションを首脳陣に言語化したり、意志を示したりする訓練が足りないまま渡米してしまいました。いまだ独り立ちができていないと思います」

 さて、気になる症状。佐々木が患った右肩の“インピンジメント症候群”について、整形外科専門医で「とだ小林医院」院長の小林慎一郎氏に聞くと、

「腱板と呼ばれる肩の筋肉が、骨と接触するなどして痛みが生じる症状です。佐々木さんは軽症のようですから、4週間ほど安静にして痛みがひいたら、徐々に運動を再開できるでしょう。ただし、何度も再発するのであれば、腱板を鍛え直したり投球フォームを改善したりと、時間をかけて根本的な対策を講じる必要が出てきます」

 令和の怪物とは言いも言ったり。類いまれなる才能を持った荒ぶるモンスターが自己を律し、真の輝きを放つのはまだまだ先か。

週刊新潮 2025年5月29日号掲載

ワイド特集「心中お察しします」より

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