今季初勝利のG戸郷は赤星に刺激を受けたか…泉口は門脇との遊撃争いから完全に抜け出した【柴田勲のコラム】
戸郷の今季初勝利は大きい
巨人が阪神、ヤクルトの6連戦を5勝1敗で乗り切った。首位・阪神に0.5ゲーム差で2位に浮上した。上出来だ。
【写真】制球力はすべての要…「投げる精密機械」と呼ばれた大投手とは
この6連戦を前回の今コラムで分岐点と記した。4位は微妙な位置、結果次第で上位に浮上か、それとも中日、ヤクルトと共にBクラスに定着するのか。こんな趣旨だった。これを思えば上出来、いや万々歳だね。
悩めるエース戸郷翔征がやっと今季初勝利を挙げた。25日のヤクルト戦(東京ドーム)、中4日で7度目の先発だった。
これは大きい。エースが勝たなきゃ、チームとしての態勢が整わない。阿部慎之助監督が試合前の全体ミーティングで「戸郷に勝ちをつけよう」とナインに呼びかけたそうだが気持ちがよく分かる。これでホッとしただろう。
6回を打者26人で被安打7ながら2失点で切り抜けた。真っすぐを内角高め中心に押した。フォークで4三振を奪った。甘い球もあったが丁寧に投げていた。
与四死球は1だった。赤星優志の投球が刺激になったのではないか。
本来の自分の投球に戻った戸郷
赤星は23日のヤクルト戦(東京ドーム)でプロ初完投初完封勝利をマークした。
ヤクルト打線に7安打を浴びた。それでも完封できたのは四死球0のおかげだろう。赤星はとにかく制球力がいい。今季は9試合に先発して54イニングで5四死球だ。
ムダな走者を出さないことが肝要だ。安打を1本に抑えていても、その1本が四球を連発した後の適時打となる1本ではどうしようもない。
戸郷はこれまで制球が定まらず苦しんだ面があった。5月13日の広島戦(マツダスタジアム)では1回に押し出しを含む3四球を与えており、これがリズムに乗れない原因になっていた。
阿部監督には新球のマスターを勧められたようだが真っすぐ、スライダー、そしてフォークで攻めていた。制球力をさらに磨いて本来の自分の投球に戻る。これが良かったのだろう。まずは一安心である。
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