「偽装難民、不法滞在のクルド人には厳密な対応を」 河野太郎元外相の言葉は重い

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河野氏による「クルド人問題」まとめは正しい

 河野氏のXへの投稿は長文。ポイントとなる部分を抜粋すると、次のとおり。

「川口市に滞在しているトルコ人の場合、その75%が難民認定等手続中の特定活動、仮放免、監理措置のいずれかであり、その多くは日本に短期滞在目的で来てから難民認定申請をした者ということになります」(筆者注:クルド人は、報道では「トルコ人」「トルコ国籍」と記述されることが多い。河野氏もそれを踏襲したと思われる)

「トルコ国籍を有するクルド人が、トルコ旅券に対する査証免除措置の恩典を受けて観光目的で来日した上で入国後に難民認定を申請し、不認定になった後にその申請を繰り返すことで仮放免等の状態になっても、帰国することなく日本での生活のために仕事に就いている実態があると考えられます。この取り締まりをきっちりやることが、まず必要」

「難民問題の専門家や一部のメディアが現地を調査・取材したところ、彼らの出身地においては地域紛争も政府による迫害も見られず、出稼ぎや移住を目的として日本に滞在していることが明らかにされました」

「外務省、法務省・入管庁、警察庁の不作為あるいは力量不足が連鎖して、偽装難民が取り締まられることなく常態化すると、正規の在留資格で滞在し、日本社会の中でまじめに勉学に励みあるいは仕事をしているトルコ人までが偽装難民などと疑われることになりかねず、早期に厳格な対応が必要」

「入管庁では、抜き打ちで在留資格の調査をし、警察と協力するなどして不法就労していた者とそれを雇っていた者に対する摘発及び退去強制など厳格な処分を推し進めることになっています」

「入管職員をしっかりサポートしながら、不法入国、不法滞在、不法就労の撲滅に向けて引き続き努力しています」

アナウンス効果は大きい

 簡単にまとめてしまえば「難民として扱う必要のない、不法滞在のクルド人は取り締まらなければならない。それが正規のルートで合法的に日本にいる外国人たちのためでもある。関係省庁は不法滞在、不法就労者を取り締まるべきであるし、政治家としてもそのサポートをしていく」ということになる。

 書いてあることは間違ってはいないし、何らかの問題を解決しようという姿勢は政治家として立派である。が、こうした投稿に対し、夏の参議院選挙も含め、選挙を見据えたパフォーマンスだという意見は少なくない。川口市民にとっては、今さらと思える内容でもあるだろう。

 とはいえ、自民党内最左派の1人とも目される河野氏が、実際に視察をし、長文を寄稿している事実は見逃せない。また、河野氏の投稿は、かなり冷静に川口市の現状がわかりやすく書かれているものなのは確かだし、アナウンス効果は大きいのではないか。

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