「ファンと恋愛」はタブーから好感度上昇装置へ? 犬飼貴丈との交際報道の指原莉乃が見せた戦略性

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 俳優・犬飼貴丈(30)との交際が「週刊文春」に報じられた、元AKB48の指原莉乃(32)。犬飼は指原の長年のファンだったと公言しているが、ライターの冨士海ネコ氏は「元ファンとの交際」が意外にも女性アイドルの好感度を上げるパターンになっていると指摘する。

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 落ち目といわれた芸能人が、たった一つの恋愛報道で株を上げることがある。元AKB48の指原莉乃さんと、俳優・犬飼貴丈さんとの交際報道もまた、単なる熱愛発覚というにとどまらない。注目すべきは、犬飼さんが過去に「指原さんの長年のファンだった」と自ら公言していたという点だ。ファンと芸能人という関係から一転、対等な恋人同士となった二人の関係性は、芸能界では稀有(けう)ではあるが、近年、着実に「女性アイドルの好感度を上げる恋愛パターン」として定着しつつあるのではないだろうか。

 タレントイメージが低迷していたり、過去のスキャンダルで「脛に傷を持つ」女性タレントが、自身のファンである男性と交際・結婚することで、再び「純粋」や「健気」といったイメージを獲得する。これは単なる偶然の恋愛模様ではなく、ある種の「再ブランディング」であるともいえそうだ。

 指原さんといえばAKB48の黄金期を支えた一人でありながら、ファンの男性とのスキャンダルによって離脱。その後はバラエティーの世界で再浮上を果たし、あっという間に席巻した。近年ではプロデューサーとして手がけた「=LOVE(イコールラブ)」「≠ME(ノットイコールミー)」などの成功もあり、実業家としてのセンスも抜群であることが知られている。

 一方で、近年はやや“賞味期限”を迎えつつあるという見方も強まっていた。実際、2024年に入ってからのテレビ番組レギュラー本数は減少傾向にあり、バラエティー番組における存在感もやや薄れつつあった。また、親友として知られるフワちゃんとの関係性も、評価を下げる要素となっていただろう。共演番組ではしゃぎ合う様子は「似た者同士」との印象を与え、一部の視聴者に“軽さ”や“反省のなさ”といったネガティブな印象を抱かせる一因ともなっていたのではないか。

 そのフワちゃんが共演者に対する不適切発言によって活動を休止したものの、指原さんは沈黙を貫いた。調子のいい時は親友だが、問題を起こせばダンマリを決め込むのか、と指原さんの計算高さにあきれたという声は少なくなかったようだ。

 こうした状態の時、交際相手があまりに大物だったり人気者だったりすると双方ネガティブなイメージがついてしまう。その点、犬飼さんは注目の若手イケメン俳優ではあるものの、指原さんより年下で芸歴も浅い。指原さんがお金や地位で選んだ、という印象にはならなかった。

 一方で、かつては御法度であり、指原さんの過去からしても鬼門だったはずの「ファンとの交際」は、近年の芸能界で「イメージ転換」の有効な手段になりつつある。頭の良い指原さんならなおのこと、そうした変化を感じ取っていたのではないだろうか。

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