“コメ担当大臣”を自称する「小泉進次郎」新農水相の“迷言”リスク…コメ高騰が続けば「将来の総理候補」にも黄信号の懸念

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コメが高止まる可能性

 例えばSNSでは「幼い頃から国民の一般的な生活水準とはかけ離れた裕福な暮らしだったはずであり、普段も買い物などしてないだろう。そんな小泉氏にコメ高騰に苦しむ庶民の気持ちなど分かるはずがない」という批判が多い。

 もちろん無為無策の農水相でも、コメの価格が下がれば結果オーライだろう。だが、安くなる見通しは全く立っていない。農水省の発表によると、3月に放出された備蓄米約21万トンのうち小売と外食産業に届いたのは約2・2万トン。わずか1割しか市中に出回っていないのだ。

 これでコメの価格が下がるはずはない。全国のスーパーで5月5日から11日にかけて販売されたコメ5キロの平均価格は、備蓄米を含む複数原料米ですら3895円と高値を示した。コシヒカリなどの単一原料米になると4268円とさらに高く、庶民にとっては非常に負担が重い。

「今後もコメ価格は高止りする可能性が高くなってきました。農水省は5月20日、4月に業者間でコメを売買した『相対取引価格』が、2024年産の玄米60キロ当たりで2万7102円となり、2カ月ぶりに最高値を更新したと発表したのです。この『相対取引価格』で専門家は今後のコメ価格を予測しますが、最高値を示したわけですから夏にかけてコメ価格が劇的に安くなるとは考えられません。農水相に就任した小泉さんが会見で『コメが安くならない理由』について弁明や釈明に追われることが続けば、多くの消費者は『小泉さんでもコメは安くならないじゃないか』と不満を募らせるはずです」(同・記者)

“改革”の本丸は入札

 そもそも消費者はコメ5キロの価格について明確な“数値目標”を持っている。小泉氏の手腕を消費者が“査定”することは非常に簡単だ。

「無農薬とか食味が抜群といった高い付加価値を持つブランド米なら5キロ6000円でも7000円でも消費者は怒りません。5キロ3000円という手頃な価格帯のコメが全く見当たらないので怒り心頭なのです。つまり小泉さんは5キロ3000円のコメを消費者に届ける必要があるわけです。そして消費者が最も問題視しているのは備蓄米の放出が入札で行われていることです。最も高値をつけた業者が備蓄米を手に入れるというルールですから、これでは備蓄米が安くなるはずがありません。もし小泉・新農水相が以前と同じように備蓄米の入札を実施すると、それだけで消費者が失望する可能性があります」(同・記者)

 JAを筆頭とする集荷業者や、卸売り業者がコメ価格を高止りさせているとの批判も根強い。小泉氏は、これにもメスを入れることが期待されている。

「消費者の願いは備蓄米の倉庫からゼロ円でコメが運び出され、国が責任を持ってスーパーに直送、適正な価格で販売されることです。さらに農水省は備蓄米と明記せずに販売するよう小売に要請していますが、これも消費者の不信感を招いています。ピンチはチャンスという言葉があります。もし小泉さんが備蓄米の入札を中止し、備蓄米と明記しての販売を許可すれば、ひょっとすると支持を得ることができるかもしれません。さらに江藤前農水相が『備蓄米を玄米で販売すれば流通のスピードが上がる』との考えを明らかにしていたことも重要です。都市圏にはコイン精米所がない地域が多く、すでに一部の消費者が玄米案に反発しています。愚策であるのは明らかであり、小泉氏は玄米の販売は止める方針を採るべきでしょう」(同・記者)

 要するに江藤前農水相の施策とは正反対のことをすればいいわけだ。小泉氏が農水省のキャリア官僚やJAに本気でケンカを売るかどうかが焦点ということになるだろう。

デイリー新潮編集部

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