食糧法に“価格の安定”は「書いていない」と答弁した江藤農水相…消費者が「2キロのコメ」で節約もJA全中会長は「コメ価格は高くない」で大炎上
食糧法に価格の安定は「書いてない」
しかし江藤農水相は4月25日の会見で「この経済の中において、物の値段は米に限らず、工業製品も含めて、市場で決まるというのは大原則です」とも発言している。
果たして彼はコメの販売価格を安くしたいのか、それとも本心で価格の高止りを望んでいるのか、どちらなのか。
「江藤農水相の発言を振り返ると、果たして消費者の味方なのか疑わしいところがあります。2月28日、衆院予算委員会の分科会で野党議員がコメの価格が高すぎると質問しました。これに江藤農水相は、食糧法に価格の安定は『書いてない』と答弁したのです。ところが実際は明記されており、江藤農水相は間違いを認めて謝罪、訂正しました。農水相は価格の安定に尽力する必要があると国会で確認されたにもかかわらず、江藤農水相は4月の会見で『コメの価格は市場が決めるのが大原則』と発言しました。コメの価格を消費者にとっての適正価格に引き下げようという強い意思は感じられません」(同・記者)
自民党の小野寺五典・政調会長は5月14日、埼玉県内にある備蓄米倉庫を視察。コメの価格が下がらないことに関係者から聞き取りを行った。
小野寺政調会長は報道陣に備蓄米の落札価格が政府の買い上げ価格より高かったことを問題視し、「私個人から見ると、国が儲けてどうすんだ」と語気を強めた。JAにしても自民党にしても、コメの価格高騰で失った信頼を取り戻すのは大変なようだ。
第1回【JA全中トップは「コメ価格は決して高いと思わない」…JA全農山形は「お米は高いと感じますか?」で大炎上 “解体論”まで飛び出す農協と消費者との温度差】では、JAが何度も「コメの価格は高くない」と発表して炎上した経緯や、備蓄米がコメの価格低下に役立っていない現状を詳細に報じている──。
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