40年前に「逃避行」スキャンダルも揺らがず SNS時代に70歳・高橋惠子「今を生きる」ブレない矜持
自分自身が試される場
最近は「永遠のチャレンジャーでいたい」と前向きに語り、舞台も、先頃出演した、人間の尊厳と善悪を描いた骨太な人間ドラマ「真夜中に起こった出来事」や、6月上演となる国民的作品の舞台化「サザエさん」など様々な役柄に挑んでいる。「自分自身が試される場」として挑戦を続けているが、出る杭は打たれるじゃないが、SNSでの誹謗中傷、バッシングが横行している社会である。
「そうですね。SNSで一斉に叩かれるというようなことがあったり、過去のことがずっと言われたりして、本当に大変な時代だなと思いますね。人間、正しいとか正しくないとかではなく、その時はそうしなきゃいけないと思ってしまったり、衝動的に動いてしまったりすることもありますよね。
でも、どんなことでも、その経験をしたことで学ぶことが必ずある。極端な話、どこにも行かず、なにもしないで人生終わるよりは、いろんな経験をして、たとえ失敗しても、失敗から学ぶものがたくさんあると思うようになりました」
高橋は多忙を極めていた1979年、舞台公演中に海外に渡り、「逃避行」として芸能マスコミにスキャンダルとして報じられたことがある。帰国後、会見し謝罪したが、それ以降、40年以上経った現在も、ことあるごとに蒸し返されるような風潮には、こんな一家言がある。
「新聞記事になっても、そのあとも残るということはありませんでしたけど、今は消えませんよね。過去の話じゃないですか。全て。今を生きている。今からその先を見て生きているわけですよね。ですから自分としては、そうした(過去を取り沙汰され続ける)ことに振り回されないようにしようと思っています。
職業柄という部分もあり(取り沙汰するマスコミも)仕事としてやっているのも知っています。例えばわたしはその人のことを知らなくても、向こうが知ってくれ、ファンになってくれ、その応援があって成り立っているところも知っています。それが励みになり、ありがたいことだと思いますけど、わたしは今を生きていますし、今を生きる自分を大事にしたいんです」
ながく芸能界でやってきて、今も第一線を走り続ける矜持なのだろう。それは今バッシングを浴びているタレントたちにも伝えたいメッセージにも聞こえてくる。
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第1回【70歳・高橋惠子、超過密スケジュール…すでに舞台3本出演 7月には最新映画「出させてって夫に直訴」】では、現場を駆け抜けるエネルギーの秘密を語っている。
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