トランプの爆走を生んだ「歴史の変化」が見えない人びと 「ニセモノ」の解説に騙されないために、いまこそ「江藤淳」を読み直そう(與那覇潤)
「起きないはず」の出来事ばかりが「起こる」世界。トランプ再登板や極右の台頭、その前はウクライナ戦争やコロナ禍……対応をまちがえた専門家は、「ニセモノ」の議論でごまかしを続ける。なぜ日本人は誤りを知ってもニセモノをやめられないか、本質を見抜き警鐘を鳴らす人がいた。1999年に自死した文芸評論家の江藤淳――。混沌の時代に『江藤淳と加藤典洋 戦後史を歩きなおす』(文藝春秋)を世に問う、評論家・與那覇潤氏の緊急寄稿。
私たちが過ごした直近の10年間は、「ニセモノの時代」だった。...