フィリピンで手術中に無念の最期「ジャンボ鶴田」 “最強王者”が最初に訴えた異変は「だるい、疲れる」

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ドナーを求めてフィリピンへ

 今年4月12日、鶴田はオーストラリアへと旅立った。

「13日にブリスベーンの病院に入院しましたがなかなかドナーが現れません。そんな時、フィリピンでドナーが出たという情報が入ったのです」

 5月2日、鶴田は急遽フィリピンに向かう。行き先はケソン市の国立腎臓研究所。

「ところが、ドナーと血液型が合わず、手術できないことがわかった。再び、ドナー待ちになりましたが、11日、別の臓器提供者が現れたのです」

 ケソン市内で17歳の少年が銃で頭を撃たれたのだ。現地記者は言う。

「少年が知り合いの警官とじゃれていた時、銃が暴発したのです。病院に担ぎ込まれた時はすでに脳死状態でした。少年の家族は入院費と葬儀費の支払いを条件に臓器提供に応じました。手術費用は表向きには120万円ほどですが、優先的に肝臓移植手術を受けるには3000万円はかかると言われています」

およそ6リットルの輸血

 翌12日、肝臓移植手術は始まった。

「ところが手術中、突然大量出血を起こしたのです。およそ6リットルの輸血が行われました。でも、手術開始から16時間後の13日午後4時、大量出血によるショックで亡くなってしまったのです」

 専門医によれば、「手術のミスというよりも血管にも癌が転移して手の施しようがなかったのではないか」。後には夫人(41)と13歳を頭に3人の息子が残った。無念の死である。

デイリー新潮編集部

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