“キャラをイメージした”カクテルが飲める! 「響け!ユーフォニアム」ファンが集う京都の“隠れ家バー” 店主が明かす「作品が好きで移住された方は何人もいます」
京アニ人気は世界的。特に、中国人のファンは熱狂的
――京都の町はもちろん、宇治の中心街を歩いていてもインバウンドの旅行客の姿が目立ちます。お店に海外のファンが来店することはあるのですか。
海外のお客さんは本当にたくさん来ます。特に、中国や台湾から訪れる方が多いですね。昨年6月の1週目だったと思いますが、中国のインフルエンサー が来店し、写真を載せて情報を拡散してくださったことがあります。それを機に、中国のお客さんが増えました。
もちろん、それまでもちょくちょく中国のお客さんの姿はあったのですが、大挙して訪れるようになりました。団体で10~15人とかね。大吉山の展望台で15人が出会い、一緒に当店を訪れた例もありますし、たまたま聖地で知り合って、同郷だったので一緒にきたとか。すごいなと思いましたよ。こんなに来てくれるんや……と、ただただ驚きでした。
中国人の女の子が、北宇治高校(注:「ユーフォ」の作中に登場する高校)の制服を着て来店されたこともありました。あと、中国人は「ユーフォ」のスピンオフ作品「リズと青い鳥」が好きな人が多い印象です。理由はわかりませんが、傘木希美と鎧塚みぞれのコンビ“のぞみぞ”のファンが多いなと思いますね。「ユーフォ」の人気は世界的なんだなと感じています。
――中国のファンの特徴のようなものはありますか。
中国人のファンも日本人同様に熱狂的ですし、あと、かなり深掘りしてくるんですよ。当店は「ユーフォ」のキャラをイメージしたカクテルを提供しているのですが、「なぜこういう配合にしたのですか」とか、本当に突っ込んで聞いてきます。
聖地巡礼される方がほっと一息つける場所に
――ITARUさんは、「ユーフォ」に興味を持つまで、アニメファンだったのですか。
アニメにはそこまで興味があったわけではなかったのですが、2015年の最初から、宇治が舞台になっていると聞いて「ユーフォ」は見はじめました。大吉山は「ユーフォ」の重要なシーンでたびたび登場する、ファンにとって最重要な聖地ですが、僕たち地元出身者にとっては子どもの頃からの遊び場で、夏休みはあそこで虫取りをしたりして遊んだのです。地元の人たちの散歩コースでもあります。だから、宇治に住むキャラが楽器の練習をしたり、何かあったときに登ったりするのは、設定としても違和感がないなと感じました。
――お店の名物は、黄前久美子や高坂麗奈などのキャラをイメージしたカクテルですが、どんなきっかけで生まれたのですか。
僕は現在も商店街の理事をやっていて、「宇治ウィンターフェスタ」という宇治市と商店街、京アニさんのコラボイベントが行われたとき、コラボメニューを考えて提案したらOKが出たんですよ。ちょうど、当店にはコラボカクテルを出す前からファンも来ていましたで、何か関われることがあればと思っていたので、渡りに船でした。それから京アニさんの許可をいただき、現在に至っているといます。
「ユーフォ」キャラのカクテルを提供しているのは世界中でもうちだけですので、キャラを“味”で体感していただきたいですね。人気のカクテルは作品をイメージした“リズと青い鳥”、キャラでは“麗奈”ですかね。アニメが放送されている間は、あるキャラが大きくクローズアップされると、そのカクテルがたくさん出ることもありました。例えば、3期の3話の放映後に“奏”を注文される方が一気に増えた感じです。
――今日も常連の方がいらしていますね。
僕はファンの皆さんとの交流を純粋に楽しんでいます。何度も来店いただき、まるで家族のように親密になっている方もいますから。実際、超常連のファンは、当店を我が家のように思ってくださっているようですね。コスプレは言うに及ばずキャラの“被り物”で来店される方もいますが、うちはそれもOKなので(笑)。今後も、聖地巡礼される方がほっと一息つける、オアシスのような場所にしたいと思っています。
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