煩わしい人間関係や交通渋滞とは無縁! 大好きな人や店に会いに行く「旅行以上、帰省未満」という旅スタイルをご紹介

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「今度そっちに行っていい?」

 血が繋がっているとはいえ、そんなに自分自身の人生を品定めされる場所というのは「帰省」の時ぐらいであろう。だから帰省はホッとする面はあるものの、とにかくウザいのである。

 一方、「旅行以上、帰省未満」の場合、このような煩わしいことはない。しかも、その地に戻ってきたら「お帰り」と言われ、歓迎会が開催され、そこから先は連日のようにレクリエーションが待っている。

 今回池田さんは、連日の飲み会は当然のことながら、「田植え体験」「釣り」「サクランボ収穫」「唐津の我々の『秘密基地』でひたすらスーパーファミコンをプレイする」といったレクリエーションがあった。

 これは、迎え入れる我々としても非常に楽しい話なので、池田さんが帰る時はけっこう寂寥感を覚えた。なんというか、親戚のお兄ちゃんが都会に戻ってしまうという感覚であろうか。池田さんは9月に絶対に戻ってくると宣言し、後ろ髪を引かれる思いで関東に戻っていったのである。

 そして、今回のGW、万博やら全国各地の大混雑・交通渋滞のニュースを多々見たが、唐津ではこれらとは無縁だ。だが、池田さんは十分楽しんで帰っていった。万博やアウトレットモール、テーマパークも良いが、大型連休の際は「旅行以上、帰省未満」の場所を訪ねるというのはいかがだろうか。そのためにも、仲の良い知り合いに「今度そっちに行っていい?」と尋ねることから始め、その土地と深い縁を作ると人生がかなり楽しくなる。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『よくも言ってくれたよな』。最新刊は『過剰反応な人たち』(新潮新書)。

デイリー新潮編集部

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