「ダウンタウンDX」後番組を任された実力派 「あたおか」を広めたコンビは“後継者”になれるのか

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実力は早くから評価

 彼らは大阪で舞台を拠点に活動してきた芸人であり、その実力は早くから評価されていた。本格的に全国区へと歩みを進めるきっかけになったのが、2018年から3年連続で「M-1グランプリ」の決勝に進出したことだ。「M-1」という過酷な戦場で結果を残している彼らには、漫才師としての強固な土台がある。

 2022年には長年拠点としてきた大阪を離れ、東京に本格進出した。それまでにも東京で仕事をする機会は多く、大阪と東京を行ったり来たりする多忙な日々を送っていたのだが、ここから彼らのテレビ出演はさらに増えていき、MCとしての実績も着実に積み上がっていった。

 その代表例が、TBSで2023年にスタートした「ジョンソン」である。この番組は、かつての伝説的バラエティ「リンカーン」の系譜を継ぐものとして鳴り物入りで始まり、見取り図はそのレギュラーメンバーに抜擢された。これは芸人の中でも選ばれし者にしか与えられないポジションだった。

 残念ながら番組は視聴率低迷などにより短命に終わった。だが、見取り図の2人はここでも持ち味を発揮して、着実に結果を残していた。

 そんな彼らが「ダウンタウンDX」という長寿番組の後を継ぐというのは、業界内では大きな意味を持っている。吉本興業の芸人の中で「ポスト・ダウンタウン」と呼べる存在のうちの1組として評価されているということになるからだ。

 この新番組の「見取り図の間取り図ミステリー」が大ヒットするようなことがあれば、彼らは一気に先輩の千鳥やかまいたちと肩を並べる存在に躍り出ることになる。テレビの世界で「天下取り」を意識している最後の世代である見取り図が、ここからどう成長していくのか楽しみだ。

ラリー遠田
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『逆襲する山里亮太』(双葉社)、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)など著書多数。

デイリー新潮編集部

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