「家賃500万円を滞納」 逮捕された名投手「米田哲也」の極貧生活 近隣住民にしていた「信じがたい頼み事」とは
「タイタニック号の船体でゴルフクラブを作って売る」
やがて球界でも、米田氏の困窮ぶりが広まった。というより、彼自身が広めたと言った方が正確か。
「10年ほど前には、知人に“タイタニック号の船体でゴルフクラブを作って売る”という話をしていた」(スポーツ紙記者)
これほど怪しげではないまでも、直接的な要求を頻発するようになる。
野球評論家の江本孟紀氏によれば、
「OBに対して“カネを貸してくれ”という内容の電話をしていたと聞いたことがあります。生前、野村克也さんからもそう聞きました」
張本勲氏に“カネの無心”
無心は、米田氏と同じく名球会の創設メンバーである、球界のご意見番にも及んでいた。
「友人たちから(金を)借りまくっている、という話は聞いていました」
そう述べるのは、野球評論家の張本勲氏である。
「数年前、私の元にもそういう話があった。私は“金の貸し借りはやめましょう”と諭しましたが、結局、ほかの人に無心していたようです。ダメだったみたいですがね」(同)
3歳年下である張本氏の、プロ初試合の相手がほかならぬ米田氏だった。
「事件を知って、淋しいというか悲しい。これが大投手の成れの果てか、と。輝かしい球歴を残しているから、いくらか老後の畜えぐらい残して真面目にやってくれると思ったのだけれど、本当に胸が痛みます」(同)
メジャーリーグと比べて、日本のプロ野球は選手らのセカンドキャリアへの保障が不十分であることはよく指摘されるところだ。そうした制度がきちんとしていれば、今回のような悲劇は避けられたのだろうか。華々しい経歴を持つ名投手の運命はなぜ暗転してしまったのか……。後編【名投手・米田哲也を転落させた「水商売の失敗」のウラ側 芦屋の高級マンションは競売に】では、米田氏が転落するきっかけとなった事業の失敗について詳報している。
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