日本人ユーチューバーが「泣きそうになった」韓国のヒドすぎる接客事情 日本の“おもてなし”を知って変化は

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国際的にも接客下手?

 筆者の知人の日本人たちは、韓国旅行をすると「接客がよくない」とよく口にする。韓国を訪れた外国人ユーチューバーたちも「韓国では店員の親切さは期待しない方がいい」「挨拶がないのは怒っているわけではなく、これが普通らしい」と語っている映像をよく目にする。問題の店ほどではないにせよ、国際的に見ても韓国は接客が下手な国なのかもしれない。

 その反動で、日本を訪れた韓国人旅行者は、接客サービスに感動するようだ。皆揃って「日本の飲食店の接客は、身に余るほど丁寧だ」と口にする。今年1月に初めて日本を訪れた後輩記者は「空港のコンビニ店員さえ挨拶をしてくれ、高級焼肉店から小さなうどん店まで、どこでも『いらっしゃいませ』と元気よく言われ、店を出るまで丁寧に接してくれた」と話していた。

 振り返れば、筆者自身、韓国では飲食店で挨拶されないことにすっかり慣れてしまっている。店に入ると、店員には「客がきた」という意識はあるのだろうが、会釈もなければ、席への案内もない。大量に注文する上客ならちがうのかもしれないが、簡単なランチや保田氏のようなひとり分の注文では「さっと食べてさっと帰れ」という空気……。最初からサービスを期待する方が間違っているように感じてしまう。たまに店員が笑顔で迎えてくれると、「今日は機嫌がいい日なんだな」と思ってしまうほどだ。

 日本では「お客様は神様」という言葉がある。韓国にも通用する表現だが、実際には「味がよければ、接客サービスは二の次でいい」という風潮が客にも店にも根強く残っている。客としても「もてなしてもらおうとは思っていない」と受け入れてしまうのだ。

改善の機運も…不買呼びかけ

 だが最近になって、特に若い世代を中心に、こうした接客に反発する動きが出てきた。今回の「田舎の姉あゆみch」の件でも、報道にも否定的な反応を示したのは20~30代が中心だった。謝罪コメントをしたユーチューバーやインフルエンサーも若年層が多く、ネイバーのレビュー欄や若者向けのコミュニティには、不親切な店のリストを共有し「不買しよう」と呼びかける投稿も目立った。

 そんな彼らの多くは、日本旅行を通じて「親切な接客は、客として当然の権利だ」という価値観を体験しているのかもしれない。先述の「味さえよければいい」という感覚は薄れつつあるのだ。

 日本政府観光局(JNTO)が3月19日に発表した統計によれば、今年2月に日本を訪れた外国人は325万8,100人余り。その中で韓国人は84万7,300人を超え、国別では最も多かった。韓国からの訪日客数が多いのはよく知られた事実だが、日本の接客サービスの良さも一因かもしれない。

 筆者の知人である文化担当記者は、こう指摘する。

「不親切で二度と行きたくないというレビューがあるのに、店の評価が高かったり、妙にほめあげる口コミが多い場合、それは広告用のでっちあげレビューの可能性がある。そういうレビューを請け負う業者が韓国にはたくさんあって、それを若者は見抜きはじめている。韓国でもこれからは、接客サービスのあり方を変えていくべきだ。親切さはもちろん、衛生面も含めてきちんとしたサービスを提供することが、外国人観光客に『また来たい』と思ってもらえる感覚を身に着けるべき。それが韓国文化の発展にもつながるはず」

 日本の接客サービスが韓国の店の接客を変えつつある。

文:ノ・ミンハ(現地ジャーナリスト)

デイリー新潮編集部

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