「子供は次世代の地球の運転手です」イクメン・古坂大魔王が語る男性も育児に参加した方が「絶対得する理由」

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 大ヒット曲「PPAP」(ペンパイナッポーアッポーペン)で、世界中の子供達の心を掴んできた「ピコ太郎」。ピコ太郎の“プロデューサー”として世界を旅してきた古坂大魔王に次世代の子供たちへの思いを聞いた。(前後編の後編)

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「0歳からの子育て」で得られたこと

 前編【ブレイクから8年 「ピコ太郎」はなぜ世界を席巻したのか 古坂大魔王が世界を回って感じた「笑いを受け止める文化の違い」】からの続き

――古坂さんは2児の父。芸能界きってのイクメンだと聞きました。

 4歳と6歳の娘2人がいます。2人とも出産には立ち会いましたが、上の子はピコ太郎がブレイクしている真っ最中に生まれた子だったので、育児に参加する余裕がありませんでした。ただ、下の子が生まれた時にはコロナ禍に入っていてリモート仕事がほとんど。絶好の機会だと思って積極的に関わりました。

――奥さんから頼まれて、というわけではなく自ら積極的に?

 もちろん妻からの要望もありましたが、自分でも0歳からの子育てに興味があったのです。そして実際やってみて分かったんですが、2人の小さい子をワンオペで育てるなんて不可能だと思いました。

 下の子は1歳半から半年間、夜泣きがすごくて、12時半、3時、5時に毎晩泣き出すんです。その度目を覚まし30分から1時間、寝かしつけ。この激務を、もう一人保育園児がいるというのに妻に全部押し付けるなんて、家族の一員としてあり得ないと思った。一緒に山登りしているのに、10キロある荷物を「俺は旅費を出しているから持たないよ」と全て妻に持たせるようなもの。半分持ってあげるだけでも相当きついですよ。

哲学書を読んでいるような体験だった

 育児は大変でしたが、やって本当に良かったと思っています。義務を果たしたという気持ちではなく、自分の人生が広がった、得した、と思えたのです。

 生まれたての0歳から子育てに関わると、人間という生き物の不可思議さを目の当たりにします。立ち上がり、笑って、喋り出し、歌って、踊り出す。これらの行動に理由なんてない。大人になるとなんでも理由を求めるじゃないですか。コスパ、タイパと考え始めてしまう。けれどコスパ、タイパを求めるならば、本当は今すぐに死ぬべきかもしれません。どうせいつかみんな死ぬんだから。でも、僕たちはみんな生きたいと思っている。子供に接しているとそんな矛盾にも気付かされます。哲学書を読んでいるような体験でした。

 まだ4歳と6歳ですから今も毎日、妻と手分けしながら格闘中です。「学校に持って行く巾着袋は26センチ以下だったよね」なんて確認し合いながら。2人とも女の子なので成長が早いのには驚かされます。つい数日前、上の子からは「パパが面白いことはわかっているから、パパママ会ではしゃぐことだけは絶対やめて」と叱られてしまいました。

――ピコ太郎さんは小児がん患者や家族の支援にも熱心に取り組んでいます。

 2018年に、ある支援機関の紹介で、「あいり」ちゃんという3歳の女の子と出会ったことがきっかけです。あいりちゃんはうちの上の子と近い年でもあったのですが、治療が難しい難病を患っていました。ピコ太郎の大ファンで毎日DVDやYouTubeを見ながら笑っている、少しでも会って闘病生活を励ましてほしいという依頼でした。

次ページ:3歳で天に召された「あいりちゃん」

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