「ぶりっ子しているつもりは全然なかった」 「ぷんぷん」誕生の舞台裏と「女が嫌いな女」1位の心境
ツッコミの相方がいれば…
――女性からの反応については、当時どう感じていましたか。
今思えば、もう少しうまく立ち回れたんじゃないかって思います。嫌われているタレントさんも、うまいリアクションができる人もいましたし。例えば、女芸人さんみたいにコンビでやって、うまいツッコミの相方がいればよかったかなとも思ったりもします。
――当時はまだSNSもなかった時代ですが、誹謗中傷のようなものはありましたか。
何か送られてきたということはなかったです。でも、「2ちゃんねる」という掲示板では、「賛否があった」と聞いたことはあります。「いいじゃん派」と「やりすぎだろ派」で分かれていたみたいですね。
――ご自身では、あのキャラを「やりすぎた」と感じていますか。
テレビの世界って、一見自由そうに見えるけど、やっぱり「こういうことをしてください」「こういうふうに動いてください」っていう空気があるんですよね。マイクつけて打ち合わせして、その流れに乗っちゃうというか……自然とそうなってしまったんだと思います。
――改めて、ぶりっ子キャラについてどう思いますか。
うーん、でも正直、自分では「ぶりっ子」とも思っていなくて……本当に天然だったんですよ。後になって“養殖”のぶりっ子がいっぱい出てきて、私は「オホーツク海に一匹だけ生息している原種」みたいな(笑)。養殖の子たちは生け簀の中で揃って泳いでいる感じですが、私はたった一匹でいいので自由に泳いでいたんです。
――「ちゃんとしていればよかったな」という思いはありましたか。
ありますね。もう少しちゃんと考えて、計算して動けるような人だったら、また違った展開があったかもしれない。でも、自由に泳がせてもらっていたなっていう気持ちもあります。
――今では「あざとい系」と言われる女性タレントも増えていますよね。どう見ていますか。
もう今は“あざとい”しかいないですよね。外来種というか(笑)。ぶりっ子たちはみんな食べられちゃったんですよ。
「一発芸人」みたいな扱いに
――なるほど。「ぶりっ子」と「あざとい」は、何が違うのでしょうか。
全然違います。たとえるなら、フナとブラックバスくらい違う(笑)。あざといは計算された人工物で、かっこよくもある。でも、ぶりっ子はもっと日本的で、在来種のような生き物ですね。
――ほかにも、「目をウルウルさせる」こともありましたが、当時は自然にできたのですか。
はい、できました。目薬をさすとかじゃなくて、本当に自然にウルウルしていたんです。当時は角膜が丈夫だったのか、なんだったのか……自分でもわかんないです(笑)。今はドライアイでできないかもしれません。
――30代、ぶりっ子キャラを続けてきたことについてどう感じていますか。
そうですね……「ぷんぷん」だけじゃ物足りないと思って、「ぷんぷんビーム」「ぷんぷんプリンセス」みたいに、自分でいろいろ考えて試していました。そういう意味では、生真面目だったんだと思います(笑)。
――与えられたキャラを最大限に活かそうとしていたのですね。
求められていることには応えたいと思っていたし、「こうした方がいいのかな」と悩みながら、試行錯誤してやっていました。結果的に、「一発芸人」みたいな扱いになっちゃったところもありましたが(笑)。
***
第6回【過酷すぎる「バス旅」であわや、蛭子さんと“ラブホ泊” 「まるで修行みたいな現場でした」】では、過酷だったロケ番組について語っている。
[2/2ページ]

