史上最強の「日本代表」が“ベスト8”以上を確実にするために必要な条件とは…専門家が指摘する「地の利の重要性」と「強いられる新たな戦い」

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 第1回【「森保ジャパン」W杯ベスト8進出のカギを握るのは「最終予選の残り2試合」…「決して“消化試合”ではなく勝利が絶対条件」と専門家が断じる理由】の続き──。2026年に迫ったW杯、日本代表が躍進するための鍵を握っているのはFIFAランキング。そして、「ベスト8以上」を確実にするためには、グループ分けによる試合会場も重要になる。(全2回の第2回)【六川亨/サッカージャーナリスト】

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 2022年カタールW杯は首都ドーハでの集中開催だったため、移動手段を気にする必要はなかった。しかし2026年北中米W杯はアメリカ国内でも時差があることに加え、カナダとメキシコとの共催である。

 その点はFIFAと組織委員会も考慮したようで、グループリーグで時差のあるヨコ移動はカナダのバンクーバーとシアトルなどの5グループ。残り7グループは時差のないタテ移動で、アメリカを起点にすると西海岸と東海岸、そして中央の3地区によるグループ分けになっている。

 ただ、メキシコシティは2000メートル級の高地にあるため、ここでの試合となると高地順化も必要になる。

 まだ抽選会はかなり先のことだけに、いまから試合会場の心配をしても仕方がない。

 ただし間違いないのは、開催国である3か国は“地の利”を十分に生かしてくるだろうということ。そこから逆算すると、FIFAランク31位のカナダと同じグループに入れればグループリーグ突破の可能性はかなり高まるはずだ。

 広大な国でのW杯は、移動手段も含めてキャンプ地の選定も重要になる。2014年ブラジルW杯ではサンパウロ近郊にあるイトゥーという都市をキャンプに選定した。

対戦相手が守備を固める可能性

 とはいえイトゥーはサンパウロのグアルーリョス国際空港からも、カンピーナス州のヴィラコッポス国際空港からもバスで2時間近くかかった。

 キャンプ地に選定した理由は、選手が希望するバスタブ付きの部屋を建設するからということだった。イトゥーには、日本代表のトップパートナーである飲料メーカーの工場があるからキャンプ地になったのではと噂されたものだ。

 未定の話ばかり続けても意味はないので現実に戻ると、日本の戦力は海外組の主力選手が大幅に増えたことで、「歴代最強」と言っていい。とはいえ、それは日本にとっての話であって、W杯での上位進出を約束するものではない。

 むしろこれまでの日本は「アウトサイダー」(編集部註:本命や対抗ではなく、大穴扱いのチーム)で、守備を固めてカウンター狙いがW杯で勝つための方程式だった。

 しかし第2ポットに入るとなると、当然ながら第3ポットと第4ポットの国は日本を警戒して守備を固めてくる可能性が高くなる。そうした相手に、焦れることなく試合を進めて確実に勝点3を獲得できるか。

 北中米W杯は、これまでとは違った戦いを強いられるだけに、日本の実力がグレードアップしたかどうか試される大会となるだろう。

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