「長友佑都」5回目のW杯出場なるか 大ベテランが「森保ジャパン」に招集されたきっかけは宿敵に喫した「悪夢の敗戦」

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気迫と覇気を失った日本代表

 イラン戦後に森保一監督は、

「我々はこれから上げていかなければいけないところにある。5試合戦って毎試合失点した。クリーンシートで終わらせられた試合もある。修正して改善していかないといけないプレーは、オープンなプレーでもセットプレーでもあった。攻守で圧力を上げていかないといけない」

 と敗因を語った。

 確かに、5試合全てに出場したGK鈴木彩艶は不安定なキャッチングや判断ミスなどで失点に絡んだ。

 加えて中東勢のロングボールを主体としたカウンターに、DF陣全体がミスを恐れてプレーが消極的になった印象を受けた。

 そして一番気になったのは、チーム全体に「アジア王者のタイトル奪還」といった気迫や覇気、必死さを感じられなかった点だ。

 それまで試合中に一番声を出していたのは板倉だったが、さすがにイラン戦でPKを与えてしまった直後は意気消沈していた。当然だろう。

 そんな時にチームを鼓舞する選手が、当時の森保ジャパンにはいなかった。冨安もアジア杯でのチームに「熱量を感じなかった」と振り返っていた。森保監督が長友の代表復帰を考えたのは、このアジア杯が契機だったのではないだろうか。

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 第2回【2026年W杯を“39歳”で迎える「長友佑都」は代表に必要な選手か? 「岡田」「トルシエ」「ジーコ」歴代監督を最後まで悩ませた“ベテラン起用”の成否】では数多の名将を悩ませたベテラン起用の機微について報じている。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

デイリー新潮編集部

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