フジ、辞任した港氏や大多氏にまさかの「同情の声」 進まぬパワハラ疑惑調査に「不満の声」も

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視聴率は低迷

 4月から出直したフジの視聴率はどうなっているのだろう。新番組がほぼ出揃った4月第3週(14~20日)の個人視聴率を見てみたい。

 世帯視聴率は高齢者が好む番組の数字が高くなってしまうため、テレビ界もスポンサーも5年前から使っていない。

 全日帯は午前6時から深夜零時、ゴールデン帯は午後7時から同10時、プライム帯は同7時から同11時だ。

NHK 全日帯2.5%、ゴールデン帯4.8%、プライム帯4.1%
日本テレビ 全日帯3.1%、ゴールデン帯4.9%、プライム帯4.5%
テレビ朝日 全日帯3.2%、ゴールデン帯4.5%、プライム帯4.7%
TBS 全日帯2.6%、ゴールデン帯4.2%、プライム帯4.1%
テレビ東京 全日帯1.1%、ゴールデン帯2.9%、プライム帯2.5%
フジテレビ 全日帯2.1%、ゴールデン帯3.6%、プライム帯3.5%

 フジは3部門とも5位。相変わらず苦しい。だからなのか、フジはこれまで視聴率を積極的に発表したがらないように見えた。TVerの再生数ばかり発表しているようだった。

 だが、視聴率が高くならないと業績は回復しない。視聴率から目を背けるのはフジのためにならないはず。視聴率はテレビ局にとって、この上ない刺激材料であるはずなのだ。

 4月に始まった春ドラマで、フジの目玉は「続・続・最後から二番目の恋」(月曜午後9時)。14日放送分の個人視聴率は5.5%で、この週放送されたプライム帯ドラマ13本のうち、2位だった。

 トップは20日放送のTBS「日曜劇場 キャスター」(日曜午後9時)で7.2%。ただし、2つのドラマの視聴率の中身はかなり異なる。

「若い視聴者が観ているのは圧倒的に『キャスター』」(ドラマ制作者)

 仕方がないのである。「続・続・最後から二番目の恋」は良質のドラマに違いないが、小泉今日子(59)と中井貴一(63)を中心とする熟年世代の恋物語なのだから。おまけに11年ぶりの続編である。若い世代には取っつきにくいだろう。

 そもそもこのドラマの第1期(2012年)は「木曜劇場」(木曜午後10時)で放送された。最初から大人の視聴者を意識したドラマなのだ。

 このドラマは不祥事より前に準備された。若い世代を狙い続けてきた月9の本格的なリニューアルと見ていいのではないか。

 社の刷新より月9の改革のほうが先行する形となった。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年にスポーツニッポン新聞社に入社し、放送担当記者、専門委員。2015年に毎日新聞出版社に入社し、サンデー毎日編集次長。2019年に独立。前放送批評懇談会出版編集委員。

デイリー新潮編集部

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