フジ、辞任した港氏や大多氏にまさかの「同情の声」 進まぬパワハラ疑惑調査に「不満の声」も
世論は厳しい見方
ゴールデンウィーク明けにはフジの親会社であるフジ・メディア・ホールディングス(FMH)の決算役員会がある。
約8%の株を持つ安定株主の東宝は、フジの大幅赤字の中身を気にするだろう。一方でフジの社風を一新できるかどうかも関心事に違いない。そうしないとCMが戻ってこない。
FMHが気にすべき株主はダルトン・インベストメンツ(保有株7%強)などアクティビスト(モノ言う株主)だけではない。安定株主が常に応援してくれるとは限らない。
アクティビストはほかにSBIホールディングス傘下で5%強の株を持つ投資顧問会社のレオス・キャピタルワークス、11%強を持つ旧村上ファンドの村上世彰氏(65)の長女・絢氏である。
SBIホールディングス会長兼社長の北尾吉孝氏(74)はダルトンが選んだ12人の役員候補に入っている。キーパーソンだ。同じくカギを握る人物は村上氏と絢氏。2人は目下のところ、誰とも連携していない。単独行動を貫いている。
一方、世間の人はフジの再生の可能性をどう見るか。毎日新聞4月14日付の世論調査の結果は次の通りである。
※元タレントの中居正広氏がフジテレビのアナウンサーだった女性に性暴力を加えたとされる問題を巡り、フジテレビが信頼を回復できると思いますか
できると思う 15
できるとは思わない 54
わからない 29
(数字は%、小数点以下を四捨五入。0は0.5%未満)半数以上の人が信頼回復はできないと見ている。かなり厳しい結果だ。
他局はどう見ているのだろう。日本テレビ関係者は「再生までには数年かかるのではないか」と読む。
そもそも日テレはフジに厳しい。両社は1990年代から犬猿の仲なのだ。フジが昨年度まで9年度連続で視聴率4位でありながら、いまだ民放の盟主を気取っているところが見受けられ、それが反感を買っている。
テレビ朝日の早河洋会長(81)のフジ嫌いもテレビ界では有名な話。根っ子には椿問題(1993年)があるとされている。
まず当時のテレ朝の椿貞良・取締役報道局長が、日本民間放送連盟(民放連)の会合で「反自民の連立政権を成立させる手助けになるような報道を(しよう)」などと発言したとされる。これをスクープしたのがフジ系列の産経新聞だったため、テレ朝はフジによるリークを強く疑った。
早河氏はこのほど次期民放連会長に内定した。早河氏は会長を初めて引き受ける。前任の遠藤龍之介前フジ副会長(69)が辞任したからだ。なにやら因縁めいている。
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