「処分者の井上、入江、池田、岡本、宮下」「山健組処分者の織田」に込められたメッセージ 6代目山口組の人事を読み解く
組織として認めていない
《この度は全国の任侠団体の申し出により山口組は処分者の井上、入江、池田、岡本、宮下との抗争を終結する事にしました。尚、山健組処分者の織田とも今後一切揉める事はしません。一般の市民にはご迷惑お掛けしました。高山清司 執行部一同》
一見、シンプルな文面だが、元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現在は、NPO法人「五仁會」を主宰)はそこに含意があるという。
「“処分者の井上、入江、池田、岡本、宮下”“山健組処分者の織田”の部分に注目してもらいたいのですが、彼らが立ち上げた組織名が1つも入っていません。6代目山口組側は彼らを組織として認めていないという強い思いが込められていると見ました」
翌8日、前述のように平井一家本部(愛知県豊橋市)に直参舎弟全員が集められ、抗争終結の一件が伝えられ、18日の新人事に至ったというわけだ。
今後の展開について、先の記者に聞くと、「高山・新相談役は隠居ということではなく、竹内7代目体制へのスムーズな代替わりを補佐するという役割を担うのではないでしょうか。そう長い期間ではないと思いますが、代表取締役が3人いる会社と同じような状況にあるのかなと見ています。3人とも出身組織が同じだというのは前例のないことですが」と分析する。
今回の発表前には人事をめぐって司・高山の2トップの間にわだかまりが生まれている……といった内容の怪文書が流れた。早い段階から「事実に基づくものではない」とされ、実際、新人事は怪文書の内容を否定するものとなっている。一方で高山相談役は怪文書を流した「犯人」を特定し、その親分を厳しく叱責したとの情報も流れている。
「いずれにしても、高山相談役は組織の引き締めに今後も睨みをきかせ続けるのではと見られています」(前出・竹垣氏)
竹内7代目体制となれば、3代目弘道会は現在の野内若頭に引き継がれ、執行部入りもささやかれる。弘道会支配はより一層強まるというのが大方の見方だ。
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