「心神喪失で無罪」の可能性も… 北九州マック中3殺傷「平原政徳」近隣住民が明かした“資産家の坊っちゃん”としての顔 「仕事せんでも生きていける」
2024年12月14日、福岡県北九州市小倉南区のマクドナルドで、中学生の男女が刃物で殺傷された。師走の日本を騒然とさせた事件を起こした平原政徳(ひらばるまさのり)容疑者(44)は、地元では知られた地主一族の“坊ちゃん”だった。
【実際の写真】こんな立派な家にひとりぼっちで…「平原政徳」が住んでいた自宅
殺人容疑などで逮捕された平原容疑者については、約3カ月に及んだ鑑定留置が終了してすぐの2日後、4月16日から2度目の鑑定留置が行われている。
容疑者の精神疾患を専門家が調べ、責任能力の有無を判断する鑑定留置。未来ある若者の命を奪った罪はあまりに重いが、「責任能力がない」とされた場合には刑事責任を問うことができない。これについて、RKB毎日放送などは、最初の鑑定留置の結果、心神喪失の可能性がある内容が含まれていたと報じている。
そもそも平原はなぜこのような凶行に及んだのか。その半生は、働き者の一家でかわいがられて育ち、自身も幸せな家庭を築き、と極めて恵まれたものに見えるのだが――(以下、「週刊新潮」2025年1月2・9日号をもとに加筆・再構成しました。日付や年齢、肩書などは当時のままです)。
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面識のない中学生を無言で……
事件は2024年12月14日の夜8時25分ごろに起きた。福岡県北九州市小倉南区の「マクドナルド322徳力店」が現場である。
平原容疑者は、面識のない中学生二人を無言で刺し、女性生徒は死亡、男子生徒も重傷を負った。社会部デスクによれば、
「平原は店から直線距離で約900メートル、車で5分ほどの一軒家で一人暮らしをしていました。容疑を認めたものの、取調べは難航しています。平原が“何度も同じことを聞くな!”などと変なタイミングでキレることが多く、肝心の動機が聞き出せていません」
大地主の一族
キレるといえば、平原容疑者は事件前に騒音トラブルを起こしていた。「おいコラァ! なに考えよんか。くらすぞコラ、おお!?」などと外に向かって喚き散らすこともあったという。こうした奇行によって地域で孤立していたことは事件後の報道によって広く知られることとなったが、一方で、あまり報じられていない地元で有数の資産家一族という顔もあった。
平原容疑者の自宅から車で10分ほどの守恒(もりつね)という地域に、“平原一族の本家”がある。その近隣住民が語るには、
「平原さんの一族は守恒周辺の大地主として知られています。もともとこのあたりに大きな農地を持っていた家の一人娘が政徳の祖母で、そこに結婚してやってきたのが平原姓のおじいちゃん。二人は一生懸命、米や野菜を育てる農家さんでね。その一方、いまの北九州市立大学のグランド横の土地を駐車場として貸したり、所有する土地をうまいこと利用していました」
平原容疑者の祖父母は3人の子宝に恵まれたそうで、
「子供たちが大人になると、おじいちゃんは自分の長男と次男にそれぞれガソリンスタンドを与えた。親心に、農業以外の仕事を持たせたかったのだと思う」
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