「法的に問題ない」の強調が世論をキレさせる BE:FIRST・RYOKIと田中圭、明暗が分かれた事務所の回答
「BE:FIRST」の三山凌輝(RYOKI、26)の“結婚詐欺疑惑”と、俳優・田中圭(40)と永野芽郁(25)の不倫疑惑。ともに週刊文春が報じた二つのスキャンダルだが、「事務所の回答ひとつで明暗が分かれた」とライター・冨士海ネコ氏は指摘する。
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【写真】田中圭と永野芽郁が出会ったきっかけとされる映画「そして、バトンは渡された」 映画賞授賞式での貴重なツーショット
既婚で2児の父である田中圭さんと永野芽郁さんとの不倫疑惑。BE:FIRST・RYOKIさんが有名YouTuberに「1億円貢がせた」結婚詐欺疑惑。「週刊文春」が放った二つのスキャンダルが、同時に世間を騒がせている。どちらも複数の写真と共に報じられ、それなりの信ぴょう性は担保されていると見た人が大半のようだ。
田中さんもRYOKIさんも、女性のうわさが立つのは今回が初めてではないが、その危なっかしさも含めて魅力だというファンは多い。田中さんは直撃取材にしどろもどろになっていたようだが、人間らしくてかえって親しみが持てるというコメントも見受けられた。とはいえ、今回の報道は「不倫」と「詐欺」の疑いがかけられている。単なる火遊びと言い切るにはちょっと重い。もちろん両者の所属事務所は、すぐさま報道を否定した。
しかしその否定の仕方には、明らかな違いがあったように見える。田中さんの事務所は、「仲の良い俳優仲間で、不倫の事実はないと認識している」とした上で、「こうした行動がすでに問題であるため、本人に強く自戒、自重を求めるところ」と、田中さんの行動に全く非がないとはいえないニュアンスを込めた。一方のRYOKIさん側は女性との交際を認めつつも、「双方のプレゼントのやりとりがございましたが、法令に違反していることがないことを確認」「双方合意のもとで関係を終了」と断言。結婚をちらつかせて一方的に貢がせたという報道を、真っ向から否定している。
不倫は民法上の不法行為、結婚詐欺は犯罪。もし文春の報道が事実なら、どちらも大ダメージは免れない。一方で田中さんにしてもRYOKIさんにしても、「女性問題を起こしたところで驚かない」という声も聞こえてくる。ただそれはモテキャラの領分として大目に見るという支持というよりも、今までも同じような醜聞があったのに反省しない、だらしなさへのあきれや諦めという意味を含んでいるようだ。それだけに、ファンと同じように苦々しい思いがにじむ田中さんの事務所の対応に同情を寄せる人はいるようだが、RYOKIさんの事務所の回答にはやや異質なものを感じる。「法令に反する行為を一切しておりません」という言い方は、業界男性たちによるさまざまなトラブルの釈明をつい思い出してしまうからだ。
中居正広氏、斎藤知事、八代亜紀さんのレコード発売元の社長… 「法的に問題ない」を盾にし過ぎるのは逆効果
最初に連想したのは、中居正広氏による「示談が成立したことにより、今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました」という発表だった。犯罪として扱われるような事態にはなっていないのだから、重罪人のように追及されるいわれはない、と取られてもおかしくないような文章は物議を醸した。
また、兵庫県の斎藤知事も自身のパワハラを巡る県議会百条委員会の証人尋問にて、「法的に問題ない」を繰り返して批判を浴びた。中居氏も斎藤知事も週刊文春による報道が世間の耳目を集め、さらに第三者委員会の調査によって「問題があった」と主張を覆された経緯までそっくりである。
さらに先日の八代亜紀さんの写真付きCD発売騒動でも同様の発言は見られた。発売中止の署名など反対運動が盛り上がる中、発売元のニューセンチュリーレコード社長は「当社は問題と成っている写真などすべての所有権を有しており売買契約書もございます」と発表。販売を中止しない考えを明らかにした。予定通り発売され、メルカリなどの転売サイトでは高額で出回っている。八代さんの権利物を管理している会社は法的措置を取る方針を発表するも、八代さんが鬼籍に入っているため、どういう罪として訴えることができるのかは弁護士の間でも意見は分かれているという。
「法的に問題はない」、それは理解できる。けれども、「モラル上は問題だった」とは思っていないのか。少なくとも中居氏や斎藤知事は、その点において全くの無実というわけではないことが第三者機関より発表された。法律以外の部分では後ろ暗い点があることを自覚している人ほど、「法的に問題がない」を強調するように見えるのは、追及を防ぐことだけが目的とは思えない。外野は黙ってろ、場合によっては無実の自分を誹謗中傷したお前が罪に問われるぞ――そんな威嚇のような印象を受けるのは私だけだろうか。
「法的に問題はない」を中心とした釈明は、事態の一時的な鎮静化には役立っても、口にした本人の好感度を上げることはないように思う。理不尽だが、人は正論より感情で動くからだ。法律違反はしていないのだからゴタゴタいうな、というような態度が透けて見えたら最後、本当に潔白であっても狡猾なイメージはついて回ることになるだろう。
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