「3億円事件以来の見事な知能犯」との声も…破綻銀行から白昼堂々と「1億円」を盗み出した平成の「連続詐欺・窃盗」事件
「まれに見る規模」と裁判官
2001年4月27日、ゴールデンウィーク直前の金曜。一週間前に破綻申請したばかりの京都の金融機関で、一風変わった盗難事件が発生した。関係者になりすました男が電話一本でアポを入れ、何の問題もなく中に通されると、白昼堂々と1億円を持ち去ったのである。
内部犯行説が頭をよぎる人は多いだろうが、そちらの線はシロ。ほどなくわかったのは、男が同種の詐欺・窃盗の常習犯であることだった。いったいなぜ裁判官が「まれに見る規模の連続詐欺、窃盗」と断じるほど犯行を重ねることができたのか。...