暴行容疑で書類送検のデヴィ夫人が「年下女性」とばかりトラブルになる理由 背景に「地位の高い男性と関係を持つことが女性の名誉」という思想か

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「女の敵は女」番組の凋落と辛口女性タレントたちの変化 デヴィ夫人の人気を支えたのもライバル女性たち?

 そもそもそうした女性同士のドロドロした人間関係、「女の敵は女」的な対立構造を世間は面白がりがちだが、実態としては今やそんなカーストは存在しない、という駐在妻たちもいる。いまの駐在妻カーストは、夫の職業というより妻自身の業績やキャリアに影響されるとも聞く。

 テレビ業界でも、「女の敵は女」番組は減った。デヴィ夫人が好評を得た、調子に乗っている女性をやり込めるという演出フォーマット自体に拒否反応を示す人も多い。だからかつての辛口ご意見番たちは、女性タレントや一般女性に対する説教を意識して減らしているのだろう。和田アキ子さんは「こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど」と断るようになり、上沼恵美子さんも女性より男性タレントやスタッフへの苦言が目立つようになった。女性芸人がモテる女性へのひがみ芸やかみつき芸をすると、「古い」と突き放される。

 そうした時代の変化の中で、デヴィ夫人は最後まで「女に厳しい女」として重宝されてきた一人だ。「世界の果てまでイッテQ!」の「出川ガールズ」としても人気を博し、若い美女が何人いようと私が一番、という夫人の負けず嫌いさは撮れ高に大きく貢献してきた。でもそれは、「身の程知らず」と下に見る女性たちの存在こそが、デヴィ夫人のタレント性やバイタリティーを引き出し、活躍を支えてくれていたともいえるのではないだろうか。

 25日には2月に立ち上げたばかりの12平和党解散を発表したデヴィ夫人。今後はシャンパンの泡のようにわきあがり続ける「身の程知らず」な相手への怒りとパワーを、国をよりよく動かすための原動力へと変えていってほしい。

冨士海ネコ(ライター)

デイリー新潮編集部

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