145%「トランプ関税」で米国の花嫁に悲劇 ウェディングドレスの価格が2倍で結婚式縮小も
SNS上とのギャップ
SNS上では豪華なドレスを着たセレブの投稿があふれる中、自分の現実とのギャップに苦しむ人も出てくるだろう。トランプ関税によるウェディングドレス価格の高騰が、結婚という人生の大きな節目における人々の幸福度にまで影響をもたらすとしたら、トランプ大統領にとっては深刻な逆風となるだろう。
今回のウェディングドレス値上げ問題は、米国内で代替商品が製造できないという現実を物語っている。だが、これはウェディングドレスに限ったことではない。トランプ大統領と政府高官は外国製品に高関税を課すことで、輸入を減らして貿易赤字を改善。並行して国内生産を増やすことで米国製造業の復活を目論んでいる。しかし、自動車にしろ半導体にしろ、ウェディングドレスの二の舞になる可能性は高い。
経済部記者がこう話す。
「フォードやGMの自動車が安くなったからといって、日本の消費者が燃費や性能で劣る米国車を素直に購入するわけがありません。そもそも米国が得意とするIT分野でも、例えばアップルのアイフォンの主要部品は中国製で、台湾のフォックスコンが中国本土で組み立ててアメリカに輸出しています。このように米国で消費される日用品の多くが中国産のため、高関税による値上げによって、米国市民の家計はますます苦しくなるのは目に見えています」
金融やITにのめりこんだ結果、今やスカスカになっている米国の製造業の未来はどうなるのか。