結局、「J-POP」なのか「K-POP」なのか コーチェラ席巻 XGが世界的に高評価のワケ
世界では破竹の勢い
翌年5月の5thシングル「WOKE UP」はビルボード「Global Japan Songs Excl. Japan」で9週連続1位を記録しアメリカ、イギリス、ブラジル、南アフリカ、シンガポールの5か国で首位を獲得。日本ではあまり知られていないXGだが、世界では破竹の勢いでスターダムを駆け上がっている。
「4月開催のコーチェラは、その年のフェスの先陣を切る大イベントのため、世界中の有名アーティストのフェス参加や人気を予想するバロメーターとして特に注目されています。昨年のコーチェラには平野紫耀、神宮寺勇太、岸優太からなる3人組グループ・Number_iが登場。結成半年で海外初ステージに立ったことで『世界進出へ第1歩を踏み出した』と報じられましたが、実際は特別ステージの88rising Futuresというアジアアーティスト枠。これに比べXGはサハラ会場のトリを単独で飾ったわけですからまさに“快挙”と言えます」(前出のライター)
勢いに乗るXGは現在、ワールドツアー「XG 1st WORLD TOUR “The first HOWL”」を行っており、ファイナルとして5月14日に東京ドーム公演を開催する。ただ、XGについて日本のメディアがほとんど触れないある事実があるという。
スポーツ紙デスクがこう明かす。
「誰がこのグループを誕生させ育成したのかというプロセスがほとんど語られていません。メンバー7人は世界で通用する実力派グループの結成を目指してエイベックスが立ち上げた『X-Galaxyプロジェクト』によって選抜され、2017年から5年間にわたり韓国でボーカル、ラップ、ダンス、英語、韓国語の集中特訓を受けました。
総括プロデューサーは韓国の7人組ボーイズグループDMTN(ダルメシアン)の元メンバー・JAKOPS(SIMON)であるため、K-POPのようにも見えますが、制作サイドと本人たちはJ-POPでもK-POPでもない『X-POP』を名乗っています。そのため韓国では『K-POP擬態グループ』と一部で呼ばれているのです」
とはいえ、この“X-POP”路線は日韓の音楽パワーを融合させて、成功を収めつつあるのは確かだ。プロデューサーのJAKOPS自身、日韓ハーフで日韓の架け橋になることが目標だという。コーチェラの舞台でXGが披露した楽曲「SHINOBI (DANCE BREAK)」は忍(しのび)をテーマに、メンバーとダンサーが仮面をつけてパフォーマンスした。
11日に2ndミニアルバムからシングルカットとしてリリースされた「IN THE RAIN」の作詞・作曲・編曲には、プロデューサーのJAKOPSのほか、アリアナ・グランデのアルバム制作や韓国のガールズグループ・GFRIEND(ジーフレンド)のデビュー10周年記念曲に参加した音楽プロデューサーの安田慎太郎が加わっている。
さらにいうと、コーチェラの観客の度肝を抜いた独特のファッションには、日本人スタイリストのRibbonや3Dプリンターを使用したネイル制作で知られる日本人アーティストの中川智也が参加。中川はK-POPのNewJeans、IVE、LE SSERAFIMともコラボしていることで知られている。K-POPの音楽スタイルに和のテイストを合わせるなど、日韓の才能が結集した結果、XGの快進撃が実現したといえそうだ。
コーチェラのステージを成功させ、今度は東京ドームのステージに立つXG。ファンの熱狂的な歓声が早くも聞こえてきそうだ。
[2/2ページ]