G阿部監督の起用法は解せぬ…首をかしげた20日のケラー先発、田中将大を起用するなら「負け試合の中継ぎ」だ【柴田勲のコラム】

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得意のフォークにも切れがない田中将大

 田中将大をこれ以上先発で起用しない方が得策だ。17日のDeNA戦に中13日で今季2度目の先発をしたが2回を52球7安打で6失点と大炎上した。

 3日の中日戦(バンテリン)に先発して通算198勝目を挙げたが、これは打力の弱い中日だったからで、DeNAのように攻撃力のあるチームだと歯が立たない。中日戦にしても5回をなんとか投げ切るのが精いっぱいで投球術と顔でしのいだ。

 いい球は持っていても結局は高いか低いかだ。本人は意識して投げているのだろうが、低めに行かない。山崎伊織、赤星優志の好投が続いているのも低めへの制球力が利いているからだ。

 四隅を狙っても思うようにならない。球数が増える。ベルト周辺に集まるようになる。得意だったフォークにも切れがない。ボールの威力もなくなっている。

田中将を使うなら負け試合の中継ぎ

 まあ、200勝するのなら楽天でしていたはずだ。阿部監督は気を使っているのだろう。200勝まであと2勝だ。

 前回同様、田中将は登録を抹消された。また約2週間の調整期間を経て先発で使うつもりのようだ。使うなら負け試合の中継ぎで投げさせる。チームが逆転したら勝ち星が転がり込む。これでいいと思う。今回、2週間の猶予をもらって大量失点でのKO、この事実は重い。

 先発候補には横川、船迫がいる。さらに言うなら投手は次から次と出てくる。田中将には割り切った起用法を視野に入れることも必要ではないか。

ハツラツとしたプレーを

 現在、丸佳浩、トレイ・キャベッジがけがで戦線を離れ、坂本勇人が不調でファーム落ちしている。それでもなんとかいまの成績だ。泉口、若林の1、2番コンビが頑張って、荒巻悠、笹原操希といった若手選手が出てきた。

 チーム一丸が求められる時に必死でカバーしようとしている。持てる力を存分に発揮してほしい。ハツラツとしたプレーをいま以上に期待している。

(成績などは21日現在)

柴田 勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部

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