G阿部監督の起用法は解せぬ…首をかしげた20日のケラー先発、田中将大を起用するなら「負け試合の中継ぎ」だ【柴田勲のコラム】

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岡本和真が打ってくれないと勝てない

 巨人がDeNA、ヤクルトと続く6連戦を4勝2敗と勝ち越した。貯金1で3位、その前は広島に3タテを食らったことを思えば、まずは上出来だろう。

 まずは岡本和真だ。今季はこれまでとは違う。一番大きいのはボール球を追いかけていない点だ。自分が打てるボールをしっかり待って対応している。1ストライク、2ストライクまでのストライクを狙っている。高めの甘い球を見逃さない。

 投手が逃げてこねくり回しているのだからドッシリ構えていればいいのだ。四球OKだ。徹底すれば打率は下がらない。調子の波の大きい打者ではある。ボール球を振っていたからだ。どんな球にでも手を出す傾向があった。

 現在、打率・本塁打・打点は2位。本塁打と打点では阪神・佐藤輝明に一歩遅れを取っている。本塁打と打率は自分の努力次第でも打点は前を打つ打者との兼ね合いがある。いまは1番泉口友汰、2番若林楽人、そして3番の吉川尚輝が好調だ。打点を稼ぐならいまのうちだろう。

 往々にして巨人は岡本が打ってくれないと勝てない。ヤクルトだって何といっても村上宗隆次第だ。その主砲がまた戦線を離れた。苦しい戦いは当然だ。

カイル・ケラーの先発は解せない

 巨人は20日、そのヤクルトに神宮で延長10回サヨナラ負けを喫した。

 面白い試合だった。巨人は3タテを狙い、ヤクルトは6連敗を免れたい。両軍ともに必死の攻防が続いた。ファインプレーも続出した。観客、そしてテレビの前のファンも満足したのではないか。

 巨人は先発予定だったフォスター・グリフィンがコンディション不良ということで今季初のブルペンデーとなった。

 先発したのはカイル・ケラーだった。首をかしげた。阿部慎之助監督の起用法は解せない、分からない。

 来日4年目にしての初先発らしいが、先発タイプではない。先発投手には長いイニングを投げられる、制球力の良さとストライクの先行、そしてポカが少ないことが条件となる。ケラーは力で抑え込むタイプだ。長いことそれでやってきた。1回に2点を奪われての交代となった……自信を失うだけの結果となってしまったのではないか。

 せめて先発で起用するのなら、経験のある横川凱だったろう。または船迫大雅を使っても面白かったと思う。

 船迫は先発の条件にピッタリ合っていると思う。横川は結果を出した。おそらく先発のチャンスが回ってくるだろう。いいアピールになった。

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