【プロ野球1週間を振り返り】田中将大「大炎上」、村上宗隆「復帰即故障」の悪夢…西武は“ノーヒット・ワンラン” ロッテの新星の好投が光った!

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 セ・リーグは15試合、パ・リーグは17試合が行われた4月第3週のプロ野球。その中から光るプレーを見せた選手、逆に想定外の成績となった選手などをピックアップしながら、1週間を振り返ってみたい。【西尾典文/野球ライター】

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継投による“ノーヒット・ワンラン”達成

 まず投手で最も強烈なインパクトを残したのが今井達也(西武)だ。18日のソフトバンク戦に先発すると6回まで被安打0、1四球と、ほぼ完璧な投球を披露。7回に四球と盗塁などでワンアウト三塁のピンチを招き、山川穂高のサードゴロの間に1点は失ったものの、結局、8回をノーヒット。圧巻の投球で見事チームを勝利に導いた。9回は、平良海馬が三者凡退に抑えて、世にも珍しい継投による“ノーヒット・ワンラン”達成となった。

 これで今井は4試合に先発して2勝1敗ながら、防御率は、同僚の隅田知一郎に次ぐリーグ2位の0.84をマーク。凄いボールを投げながら、制球難で自滅していた数年前の面影は全くなく、年々エースらしさが増してきている。今井の活躍もあって、西武は勝率5割で3位に浮上。今後も、圧倒的な最下位に沈んだ昨年の悔しさを晴らす快投に期待したい。

高校時代にはなかったフォームの躍動感

 投手でもう1人挙げたいのが高卒3年目の田中晴也(ロッテ)だ。16日の日本ハム戦に先発登板すると、7回を被安打2、8奪三振で無失点という圧巻の投球で今シーズン初勝利を飾った。

 ストレートの最速は156キロをマーク。試合終盤でもその勢いは全く衰えた様子は見られず、日本ハムの強力打線も完全に力負けしているように見えた。

 田中は、日本文理高校時代から評判だった大型右腕で、2年夏、3年夏と2年連続でエースとして甲子園に出場。しかし、当時はスピードが出る割に、相手打者にボールがとらえられることが多く、いずれも大量失点で初戦敗退を喫している。変化球や投げる以外のプレーも完成度は低く、典型的な“未完の大器”という印象だった。

 しかし、プロ入り後は1年目にしっかりトレーニングを積むと、昨年は一軍でプロ初勝利もマーク。今年初登板となった4月4日の楽天戦は負け投手になったものの、5回を投げて2失点、7奪三振と、内容は決して悪くなかった。

 高校時代と比べて大きく変わったのが、フォームの躍動感だ。踏み出した左足の着地が安定したことで体重移動のスピードも増し、ボールにしっかりと力が伝わるようになった。

 変化球は、フォークのスピードとブレーキが素晴らしく、決め球として十分に通用するボールだ。ロッテは、メジャーに移籍した佐々木朗希(ドジャース)と台湾リーグに活躍の場を移したメルセデス(統一)の穴を埋めることが、今シーズンの重要なテーマとなっているだけに、田中にかかる期待は大きい。

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