いまこそフジに学んでほしい…とにかく深い「萩本欽一」のヒット哲学 「番宣番組はやらない」「“面白いこと”と“面白そうなこと”は違う」の真意とは

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まさに“欽言”

 担当している企画・商品・アイデアを確実にヒットさせるには、どうしたらいいのか――どんなジャンルでも、答えを見つけるのは容易ではないだろう。

 テレビ制作の現場で手掛ける番組を次々とヒットさせ、「視聴率100%男」と呼ばれたのが萩本欽一(83)である。1980年代に放送されていた、「欽ドン!良い子悪い子普通の子」(フジテレビ系)、「欽ちゃんのどこまでやるの!」(テレビ朝日系)、「欽ちゃんの週刊欽曜日」(TBS系)という、自身の冠番組の視聴率を合計したものだが、萩本には確実に番組をヒットさせるための戦略があった。

「“面白いこと”と“面白そうなこと”は違う」

「笑いとは、“普通をずらす”こと」

「嫌だ、嫌だと言いながら、楽しそうにやるのが可笑しい」

 これらは、萩本が数々のヒット番組を作り続けた舞台裏で、スタッフにも意識付けをしていた番組作りの基本の一部であり、今の時代でも十分に通用するものだという。

「デイリー新潮」では、2025年4月13日に配信した「『全員集合』の牙城に『ひょうきん族』が殴り込み…フジとTBSが火花を散らした仁義なき『土8戦争』を振り返る」という記事の中で、「お化け番組」と呼ばれ、50%超の視聴率を叩き出した「8時だョ!全員集合」(TBS系)に、フジテレビから戦いを挑んだ、萩本の奮闘ぶりを紹介している。

 そのフジといえば、元タレントの中居正広氏(52)を巡る一連の性加害騒動がまだ燻っている。さらに、女性社員との飲み会で、「下半身を露出した」と調査報告書に記載された事実を認め、謝罪したとんねるずの石橋貴明(63)や、3月に終了した深夜バラエティ番組「オールナイトフジコ」では、未成年の出演者に局員が飲酒させていたことが明るみに出るなど、フジを取り巻く状況は依然として厳しい。

 信頼回復に加え、コンテンツ産業としてフジが再生するためには、視聴者に支持される番組を作り続けていくことが最優先だろうが、今こそ不朽の「欽ちゃんの教え」に学びを見出すときなのかもしれない。

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