「司親分は引退されてゆっくりされることを」 山口組最新怪文書の発信源の狙いはどこにあるのか

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“犯人”は6代目山口組内の人物

 要するに、今回の抗争集結宣言をもって高山若頭から司組長に対して代替わりの提案が行われたが司組長はこれを了承しなかった、さらに高山若頭は竹内照明若頭補佐(3代目弘道会会長)の若頭就任を進言したものの、これもまた司組長に否定された、そのため両者にわだかまりが生まれている……といった内容だ。弘道会の存在感が増しすぎることを司組長は良しとしていないため、若頭として安東・2代目竹中組組長を推した、とも書かれている。

「怪文書の域を出ない、真実に基づかないといった反応が多いようです」
と、担当記者。

「怪文書上で司組長に若頭に推挙された形の安東若頭補佐はもちろん実力のある人物とされています。が、今のところそのような話は浮上していないようです。すでに怪文書の発信源を特定する動きが出ています。6代目山口組内の人物であることは間違いないでしょう」(同)

少しでも亀裂を生じさせることが

 元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現在は、NPO法人「五仁會」を主宰)はこう話す。

「2代目竹中組を率いる安東若頭補佐の組織への功績は大きいですが、3代目弘道会の貢献度に比べるとどうでしょうか。加えてこれまで司組長と高山若頭の考えに隔たりができたことはなかったとされており、その点からも怪文書の内容についてフェイクとの声は大きい。発信源は6代目山口組に所属し、兵庫県内を地盤とする人物だと見ています」

 今回の抗争終結事案は突発的なものではなく、あらかじめ各方面に水面下で打ち合わせをしたうえで進められてきたものだ。そういったところからも2トップの間に亀裂が入る余地すらないとの見方を示す。であるならば、少しでも亀裂を生じさせることが怪文書の狙いということなのか。

 6代目山口組の代替わりなどは最短で今年11月ごろではないかとの見方が浮上している。抗争は終結しても、この種の情報戦が活発していく事態もありそうなのだ。

デイリー新潮編集部

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