まさか、フジ取締役に「旧ジャニ社長」の名前 「ギャラの折り合いをどう付けるのか」

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元女性アナは超優秀

 新役員人事案には元フジのアナウンサーの坂野(旧姓・土井)尚子氏(67)の名前もある。これにはフジOBの1人が「彼女なら適任」と快哉の声を上げた。「彼女のことを悪く言うフジ関係者はいない。みんな応援する」(同フジOB)

 坂野氏は国際基督教大学(ICU)卒業後の1980年に入社。ただし、契約社員である。1969年まで女性アナの定年が25歳だったフジはその後も女性アナを冷遇した。女性アナの立場が正社員になったのは男女雇用機会法が施行された1986年からである。

 もっとも、当時の女性アナは極めて優秀だった。同期で東大卒の西村洋子氏(67)はフジ退社後、英オックスフォード大学に留学し、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に勤務。その後は大学教員などを務めた。津田塾大卒の山村美智氏(68)は舞台を中心に女優活動をしている。

 1983年入社の牛尾奈緒美氏(64)は元明治大学副学長で現在は教授。そのころは制作幹部が女性アナたちをタレントらの接待要員にすることなどあり得なかった。

「日枝氏が1980年代後半から女性アナをタレント扱いしたのが間違いの始まりだった」(同フジOB)

 坂野氏が入社した当時の女性アナたちは仲が良く、2020年に山村氏の夫が他界した際にはほぼ全員が駆け付け、通夜と葬儀を手伝った。

 その中心人物が坂野氏だった。女性アナOBたちの集まる場面ではいつもそう。明るく、行動力と人望を兼ね備えた人なのである。

 坂野氏は1987年に退社すると、米コロンビア大学でMBAを取得。その後は外資系コンサルティング会社に勤務する。

 1996年にはネイルサロン運営など美容と健康に関する事業を展開する「ザ・クイック」(現在は「ノンストレス」に社名変更)を設立。ネイルサロンは50店舗ある。

 全国のネイルサロンの経営を厳しいものにした2019年から2023年までのコロナ禍にも負けなかった。現在は経済産業省の産業構造審議会で委員を務めている。

「坂野氏は7年しか会社にいなかったものの、頭のいい人だから、フジがどうして強くなったのか、一方で何を失っていったのかを知っているはず。どうして弱くなったのかも分かっているだろう。彼女の能力を知っていたダルトンのリサーチ能力には驚く。今回の新役員人事の目玉は彼女だ」(同フジOB)

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