「人を殺すと眠くなるんですよ」…市川一家四人殺害事件を起こした“19歳少年”が死刑確定後に「120キロ」まで太った身勝手すぎる理由

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「なんですかあれは!」

 現在では18歳から成人とされるが、取材時、関が事件を起こした19歳という年齢は未成年だった。各メディアが実名報道を控える中、永瀬氏は関に対し「新潮45」の記事で実名を掲載する旨を打診すると「大丈夫ですよ」と了承を得た。発表後にも、実名を公にされたことについて怒りを向けることはなかったという。記事のなかで唯一、関が怒りを露わにしたのは“フィリピンでの出来事”を綴った箇所だった。

「関は事件前にフィリピン人女性と結婚しています。そして、女性の故郷に足を運び、親戚たちにウェルカムパーティを開いてもらっていました。事件までの軌跡を取材するため、僕もフィリピンに行って、彼が結婚したフィリピン人女性の親族に会ってきたんです。すると親族の男性が“あいつはクレイジーだ”とめちゃくちゃ怒っている。聞けば関は、パーティの日にカラオケで出会った警察官を殴ったのだ、と。妻だった女性に対しても暴力を振るっていたと親族が証言し、それを書籍に書きました。そうしたら関が“なんですかあれは!”と怒るわけです。“あれは俺が悪いんじゃない。警察官が金をよこせっていうから揉めただけだ”と激昂していた。とはいえ、面会取材を振り返っても、関が怒ったのなんてそのときぐらいですよ」

 激しく怒ることはこの一度しかなかったという。その一方で、第2回【“女子高生コンクリ詰め殺人”と比べて「僕なんか全然軽いっすよ」…史上最悪の少年事件を起こした“19歳”は「反省しても仕方ない」と言い放った】では、死刑におびえ、揺れ動く関の姿が明らかになる。

高橋ユキ(たかはし・ゆき)
ノンフィクションライター。福岡県出身。2006年『霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記』でデビュー。裁判傍聴を中心に事件記事を執筆。著書に『木嶋佳苗 危険な愛の奥義』『木嶋佳苗劇場』(共著)、『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』、『逃げるが勝ち 脱走犯たちの告白』など。

デイリー新潮編集部

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